展示会、イベント関連3団体が「2020年問題」で会見開く

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東京オリンピックパラリンピックで
ビッグサイトが使えないのは死活問題だ!

日本展示会協会、東京ディスプレイ協同組合、電設協議会の展示会、イベント関連3団体が都内で揃って会見を開いた。
東京オリンピックパラリンピックの前後20カ月にわたって、展示会の会場として現在、フル稼動している東京ビッグサイトが使えなくなることに対する是正措置を求めてのものだ。
3団体の説明によると、東京オリンピックパラリンピック開催前年の2019年度から、東京ビッグサイトは、本番でメディアセンターとして稼動させるための準備に入る。
これにより東京ビッグサイトの使用可能スペースは順次縮小され、東京オリンピックパラリンピック開催年にあたる2020年度は4月から11月いっぱいまで全館、民間には貸し出されなくなる。
代替施設として、近隣の東京テレポート駅前に2万3000平方メートルの仮設展示場が設置されるが、3団体は、「スペースが狭すぎる」と主張、20日には東京ビッグサイトの家主である東京都の小池知事に陳情書を手渡した。

冒頭、あいさつに立った日展協の石積会長は、
3団体で延べ340社が加盟。「展示会場の2020年問題」は深刻。1月20日に小池東京都知事に陳情書を提出した。今後、政府他に陳情書を提出する」と話した。

会見に同席した燕市の中野科学の中野信男社長は、「営業活動のひとつとして展示会を使っている。ネットや直接営業もするが、キッカケとなるのは展示会。新製品を展示会で発表する。また、製品に対する評価もいただける。また、競合他社の製品技術を得られる機会でもある。展示会の規模が縮小されてしまうと、倒産するところがないとは限らない」と危機感をあらわにした。3団体では展示場施設の近隣地での新設を要望している。

東京ディスプレイ協同組合理事長も、「対策を取ればキチンと危機を回避できる。東京オリンピック パラリンピックで特需が出ると思われるが、回転の早い展示会とオリンピックパラリンピック異なる。職人が困る。展示会はお祭りではなく、商いの場。もともと築地市場の跡地にメディアセンターができるはずだった。汚染問題で方針が変わった」と東京都の対応にも不満をぶつけた。
さらに展示会議員連盟日展所属する秋元司自民党衆議院議員は、「地元選挙区であるし、東京オリンピックパラリンピックを成功させなければならない。東京ビッグサイトがメディアセンターに使われることの弊害がある。代替え地として拡張棟を作ってもらうことになったが、まだまだ狭い。日本が常に輝いているように頑張りたい」と東京オリンピックパラリンピックによって、展示会業界が窮地に追い込まれる状況を打破したい意気込みを語った。

質疑応答。

陳情書提出予定日は?
石積 決まっていない。 適宜妥当な時期に行う。

千葉市、横浜市、さいたま市など周辺の会場は使えないかなど可能性を潰したのか。業界のエゴととられないか?
石積 首都圏の代替会場も満杯。調整は簡単ではない。

営業活動はいつ頃から始めるのか?
石積 だいたい一年前から。出展者の方が大変だろう。

都議選で推薦候補を出すのか?
石積 そこまでは考えていない。

石積会長は出馬しないのか?
石積 考えていない。

豊洲新市場をメディア施設として使うとしているが?
石積 先走って書いちゃった。
秋元「個人的には豊洲新市場はない」と思っている。

うまくいかなかった場合は?
セーフティネットを東京都に依頼した。組合内部で東京オリンピック特需を受けている企業から仕事をまわしてもらうなど。

名古屋や大阪での開催は?
石積 場所が遠くなることで出展者は集まるのか、来場者は来るのか不安だ。

いつまで努力するのか?
石積 建設期間の問題がある。一年前では時すでに遅し。今年解決できなかったら、個々で対策を取らなければならない。東京ドームや大宮

秋元 国も深刻に受け止めており、頭を悩ませている。展示会場は国の施設ではなく、自治体のもの。自治体に対して働きかけをしている。運動としてやっていかないといけない。オリンピックパラリンピックによって、使えない施設があることもご理解いただきたい。

石積会長は、会見の最後に、「東京ビッグサイトで20年やっている。商圏ができている。そこでビジネスが行われていない思われている」と、この問題に対する都民、国民の理解を求めた。

取材 文 写真/神領 貢 マガジンX編集長

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