神鋼の川崎社長、「組織的」と言われても仕方ない。

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神戸製鋼所が社内調査結果を発表!
年末メドに外部の第三者委員会が調査報告書提出へ

報告書では収益評価に偏った経営と閉鎖的な組織風土、バランスを欠いた工場運営、不適切行為を招く不十分な品質管理手続き、契約に定められた仕様の遵守な対する意識の低下、不十分な組織体制の5つが原因であると結論づけた。
質疑応答。
Q 品質軽視の風土はいつからか?
A 長きにわたって事業部門制を敷いてきた。品質に関しては各事業部門に権限を委譲していた。かなり以前からということになる。経理、ITは本社ガバナンスに残した。確認は物証、証言を調べた。10年程度前から不正が行われたところもある。引き続き外部調査委員会で調査をお願いする。
Q 川崎社長は知らなかったのか?
A 鉄鋼事業部の機械設備にいた。その経緯では品質に接することはなかった。
Q 3つの約束がなくなっている。
A 企業理念に基づいて作ったが、仕切り直しをして全社あげてやっていこうということでウェブから下げた。
Q 複数の役員が不正を黙認していたとの証言については?
A 報道は認識している。報告書のベースとなった調査を行う上でヒアリングしたのは事実。10月26日に発足した外部調査委員会に引き継いだ。今後の調査を待ちたい。
Q 最大の問題は?
A 5つの原因を挙げた。アルミ 銅事業部門に限らず、会社全体の問題として受け止めている。5つの要因が相互に関連した。アルミ 銅事業部門にて品質のマネジメントが十分に機能していなかった。本社が権限委譲していった結果、収益性に責任を負わせた。各事業部門の違いにより、品質管理体制にバラツキが生じることになった。本社にもチェックする機能がなかった。
アルミ 銅事業は板、押し出し品、鍛造、鋳造など独立した製品が工場ごとに作られている。人事も固定化されていったと考える。結果として品質に対する独自の誤った認識が醸成されたのではないか。
Q 経営者として何が足らなかったのか?
A事業部門制が否定されるものではないと考えるが、ただ、事業部門の責任下において、いくつかの困りごとを抱えた。それを本社が解決できなかった。把握し、改善すべきだった。当社の信頼回復にはこのような経営管理構造の是正、改革が必須。経営の最優先課題として不退転の覚悟で取り組みたい。まだ、51社、10%から安全検証できていない。100%になるように、私を筆頭にやっていきたい。12月末めどに出される外部の第三者委員会からの報告を受け、改革をリーダーシップを持ってやりたい。最終的な経営責任は然るべき段階で考えたい。
Q 長期間とは?
A 人事異動のローテーションが3年から5年。担当者が変わっても続けられていたので長期間ともうしあげた。現物生データでは10年遡るのが精一杯。「複数」の意味は、いろんな形態がある。部署の中の指示は確認されているが、それ以上は分かっていない。引き続き外部の調査委員会で調査を行う。
Q アルミ 銅事業部は大きく4つの工場がある。非常に専門性を要する、工場ごとに品物が違うので、4工場で品質責任をそれぞれが負っていた。結果として人の固定がおこった。
自由闊達、心尊重、言いたいことが言える風土が良いと思うが、困りごとがオモテに出てこなかった。可能なかぎり、現場を訪問し、工場長以下と対話したい。頻度を重ねてコミュニケーションが増すよう不退転の覚悟で取り組んでいきたい。
Q 今回の報告で何が変わるのか?
A システム面、マネジメント面。アルミ 銅事業部門には、本日付で品質保証部を設置した。
Q 厳しすぎる社内規格、そもそも守れない規格とは?
A お客様の規格に加えて、社内の規格を設ける。社内規格が出荷の条件となっていった。製造設備がバラツキなく加工する能力に照らした場合に、キッチリと詳細な吟味がなさらないままに続いていた。社内規格を改ざんしていた。設備投資は適宜更新していたので、それが理由とは考えいない。品質を作り込む能力をキッチリ把握しないまま、社内規格を決めていった。
Q なぜ4工場がすべて不正していたのか?
A 真の原因は、外部調査委員会の報告を待たねばならないが、それぞれの工場は別の製品を作っている。同じ金属でも違ったモノを作っている、人の固定化と相まって不正が起きた。アルミ 銅事業部門が突出している。他の事業よりも特異性があった。数少ない人数で固定化したのもあるかも知れない。
Q データの改ざんについて費用負担、賠償は?
A 個別取り引きについては説明を控える。数社とは検証にかかったコストを話しているところはある。賠償云々はまだ分からない。お客様から話があれば真摯に対応したい。
Q 都度、対策してきたはずだが?
A たしかに過去を紐解けば、商法違反、談合、煤煙問題が起こった。その都度、経理、ITなど部門共通の部分はやってきた。しかしながら、ものづくりを生業とする会社だけに現場に責任を負わせた。収益さえ出ていれば、あとは現場に任せてしまう。品質に関して経営上の課題があった。すぐ打てる対策を示したが、川崎社長を委員長とするガバナンス委員会では、さらに改善すべきところはないのか改善していきたい。品質はその中心。短期間で検討していきたい。
Q 品質より収益が優先したのか?
A 会社として収益にこだわるのは当然。事業部門にその責任を負わせるのは間違っていないとは思うが、本社がそこの悩み事を把握していなかった。
Q 問題が起きた時に役員は何をしたのか?
A 事業部門制にすべての責任があったとは考えていない。本社としての責任があったと考える。10月25日までの調査結果についてまとめた。本社付けで品質ガバナンス再構築検討委員会をたちあげた。ハッキリ変わるというものにしていきたい。関与者の処分については、外部調査委員会からの提言、報告書を受け、社内の規定に則って決めたい。最終報告書を川崎社長の責任においてまとめたい。その後、必要な時期に判断させていただきたい。
Q 報告書に具体性がない。責任が不明確な印象がある。
A 10月25日までの品質問題調査委員会の調査をベースにしている。さらなる原因の分析が必要と認識したが、社内の妨害行為もあった。今後は外部調査委員会に最大限協力していく。
Q この内容で国民は納得するのか?
A 今後の原因究明については、外部調査委員会に引き継いでいる。最大限の協力をしていく。抜本的な改革については最終報告書に記載したい。
Q 5つの原因分析について特に重要なのは?
A どれが支配的というのは極めて難しい。本当の歯止めをガバナンス上どうやっていくか。精神論だけではダメの意識はある。
Q 組織的だったのではないか?
A アルミ 銅事業部門の不正は、川崎社長の脳裏をかすめなかった。本社として現場の声を拾う。できていると認識はしていたのだが。管理職からの指示ということで、組織的と捉えられても仕方がない。新しい製品を工業化する際には、お客様と一緒に決めていく。積み上げていくのが仕様。少しの数値外れなら構わないだろうと勝手に判断した。身勝手な自信を持った。
工場の製造部門と営業にだけまかせるのではなく、デザインレビューの段階からキッチリと事業部門の管理部隊や本社のものづくり部門でチェックする。
Q 本社の風通しはどうだったのか?
A 少なくとも本社には風通しが悪いとか思ったことはない。損益評価がオモテに出すぎたかなぁと。
Q まずは各事業部門の工場長レベル、あくまでも管理職のキーマンに説明に入りたい。最終報告書をまとめた以降は、全拠点に訪問し直接私の言葉で伝えたい。
Q 認証について
A 認証機関については秦野工場でJISの取り消しが行われた。真岡、調布、大安などで一時停止もある。JISを取得している20拠点で調査が行われる。ISOの認証機関が個別に調査に来ている。詳細の公表は予定していない。JISの再取得について努力する。JIS規格相当で大丈夫とのお客様には対応したい。
Q 妨害行為について。
A 生データと証明書の数値を付き合わせる。これを隠ぺいする行為が行われた。外部調査委員会に委ねたので、詳細については説明できない。
Q 不適切は不適正に比べて軽い!
A 広範囲に色んな行為があり、不正も行われている。総称する形で不適切とした。不正を隠す意味ではない。
Q 大安の工場長が倒れたが?
A 個人のことなのでコメントは控える。
Q 9月にIRミーティングで株式購入を勧めたのか?
東京本社で先月、投資家に説明したのは事実。株式を勧めたのではなく、何が起こっているかを公表されているデータを使って説明した。10月8日に対外公表した後だった。9月にはやっていない。そんな認識はない。
Q 自浄能力に注目されていると思うが?
A 10月25日までの品質問題調査委員会の調査が前提になっている。来週から社員のキーマンと話す。精一杯の説明をしたい。
Q アルミ 銅事業部が経営の足を引っ張って来たのか?
A 最終損益だけで12回が赤字。すべてとは言わないが、アルミ 銅事業部門が収益を上げようとプレッシャーがあったとは推察される。アルミ 銅事業部門は100億円超、4%を占める。
Q 担当の金子副社長はどのように説明したのか?
A コンプライアンス担当の梅原副社長とものづくり推進部に指示をした。金子副社長は愕然としたと言っている。金子副社長以外に板担当、銅、鋳物の3人の執行役員から報告を受けたと言う。詳細は報告を待ちたい。
Q 自主点検した人が自白したのか?
A外部調査委員会に委ねたので、申し訳ありませんが、お伝えできません。

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