マガジンX 2025年12月号(10月24日発売)に掲載された【JMSショーカー総括】の記事をnoteにて税込300円で購入できるようになりました。また月額600円の定期購読ですべての記事を購読することもできます。以下は無料公開の冒頭部分です。続きを読みたい方はその下のリンクからご購入ください。
【JMS(モビショー)ショーカー総括】
ショーカーから読み解く2020年代後半の日本車
先ごろ東京ビッグサイトで開催されたJMS(ジャパン・モビリティ・ショー)2025には、いわゆるコンセプトカーやショーカーと呼ばれる「デザイン先見せ」「商品提案」のモデルが多数出品されていた。これらは「ショーの華」であると同時に、そのメーカーが将来「どのようなクルマを出すのか」予想するうえでも大いに参考になる。では、今年のJMSで披露されたコンセプトカーには、どんな未来が詰まっていたのだろうか。それを本誌「ざ・総括。」のデザイン評価陣が読み解く。2020年代後半に登場する日本車は、どのような方向を見せてくれるのだろうか。そのヒントは確かにショーカーの中にあった。
目立ったトヨタの存在感
エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) 今回のJMSにも合計で100万人超えの来場があったようだ。ただし、編集部に訊いたら「海外からの報道陣は少なかった」という。昔のTMS(東京モーターショー)には、欧米OEM(自動車メーカー)の首脳陣がやって来て記者会見を開いていたから報道陣も多かった。日本の輸入車販売台数は少ないし、海外OEMの車両工場もない国だが、自動車産業の中心地ではあったから、欧米OEMは「TMS出展を欠席するのはありえない」「首脳陣も必ず行く」のが慣例だった。そう考えると日本の地位は下がったと言える。そうした状況も踏まえて、今回のJMSに出品されたショーカーについて語ってもらいたい。
自動車業界の事情通(以下=通) 欧米OEMは、昔は世界の主要なショーには必ず出展していたが、20世紀末ごろから「出るショー」と「出ないショー」を選別するようになった。21世紀に入ると中国のショーが出展必須となり、日本はスルーされがちになった。いまや中国は年間生産3000万台で、欧米OEMも各社が合弁の車両工場を持っているから、出ないわけにはいかない。しかし、日本と韓国はスルーされる。そうなると日系OEMが作るショーカーの数が減る。
デザインコンサルタント(以下=デ) いまでは日本で売っていない日本車のほうが多いからね。利益が出ている市場と、これから利益を出したい市場のショーは出展に力を入れる。そうでない市場は予算を削る。
某自動車メーカーのデザイナー(以下=メ) それと、昔と違って現在はネット広告で動画も流せます。露出の機会は増えたわけです。費用対効果で考えると「ここのショーには出なくてもいい」という判断になりますね。ボクがいる某OEMもそうですから。
独立デザイン事務所のデザイナー(以下=独) 今回のJMSは、とにかくトヨタグループの存在感が際立っていた。車両も部品もね。フランクフルト開催のIAA(国際自動車ショー=いわゆるフランクフルト・ショー)では、メルセデスベンツが入口に近い展示館をまるごと1社で使うというのが恒例だけれど、今回のトヨタグループは南館のフロア一面を独占した。逆に言えば、南館がなかったとするとずいぶん寂しくてこぢんまりとしたショーに感じたことだろうね。
単品購入(1本300円)はこちら
https://note.com/magazinex/n/na7b5a86bba2a
定期購読プラン(月額600円)
https://note.com/magazinex/membership/join
■マガジンX本誌(紙/電子書籍)の購入はこちら https://www.mag-x.com/










