ダイハツが新型の背高ワゴン「トール」を発売した。税込み価格は146万3400〜200万8800円。このクルマはブーンと同じく、トヨタにもOEM供給される。
トヨタ向けは「ルーミー」「タンク」と命名され、価格帯はトールと同じ。月販目標台数はダイハツ・トールが1000台、トヨタ・ルーミーとタンクがそれぞれ3750台ずつ(2モデル合わせて7500台)。
都内で行われた報道発表会で、ダイハツ工業の三井正則・社長は「軽自動車づくりのノウハウを活かした自信作。トヨタの全チャンネルで販売することにより、これまでダイハツ設計のクルマと接したことのないユーザーにも広い室内&荷室や扱いやすいサイズを体感してもらえる」と語った。
同じダイハツ工業の上田亨・上級執行役員は「数値の面ではソリオに負けている部分もあるかもしれないが、実際に使ってもらった時の良さは優れていると確信している」とコメントし、開発時にユーザーの声に耳を傾けてきたことを強くアピールした。
一方、トヨタにとってルーミー/タンクはどんな存在なのか。トヨタ自動車の佐藤康彦・上級執行役員は「トールワゴンのマーケットは大きい。やや上級のポルテ/スペイドとともに市場を活性化していきたい」として販売増とシェア拡大への意欲を示した。
ちなみにルーミーとタンクは顔つきが異なるものの、基本的には同じクルマだ。全チャンネルに投入されたワケだが、今後のチャンネル政策について佐藤さんは「色合いの違うチャンネルは財産。ユーザーの嗜好に合わせて接客や店構えで差別化していく」とコメントし、決して統合に向かっているワケではない旨を説明した。
スズキがトヨタとの提携を模索し始め、ダイハツの立ち位置はどうなるのか?と気がかりに感じている人も多いだろう。三井社長はグループ内で新興国ビジネスに注力していく方針を挙げた上で「進む方向が決まって社内は盛り上がっている。チャンスが来た。今後スピードを上げて取り組んでいく」と決意を新たにした。