BYDが日本投入車・第1弾のATTO3をアップデートし、同時に今後の大まかな戦略を発表した。
23年にBEVとPHEVを合わせて全世界で302万台を販売した同社は、国内でATTO3とドルフィンの2車種を販売している。23年12月までの累計販売台数は1446台に達した。ただ、ドルフィンは目標にしていた台数に届かないようだが、これは「型式認証取得の遅れが配車遅延につながっているため」とBYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は説明する。
今年は6月頃にBEVサルーンのSEAL(シール)を投入する予定で、今後も毎年1台以上のニューモデルを発売していくという。詳細は未公表ながら「同じようなクルマではなく、ライフスタイルに合わせて選んでもらえるよう、投入車種を本国と協議している」(東福寺社長)とのこと。
販売ネットワークについては開業準備室を含めて51拠点あり、25年末までに100店舗に増やす計画だ。
同時に消費者の体験機会と認知度を上げるために全国キャラバンを行って展示&試乗のチャンスを提供し、タレントを起用したテレビCMや初のブランドキャンペーンも展開予定。
本日デビューしたATTO3の改良版は新ボディカラーとしてコスモスブラックが、内装色にブラック&ダークブルーが追加された。また、ウインドウモールとリアクォーターピラーのガーニッシュがシルバーからブラックに変更されて精悍さが向上。ハッチゲートに装着されていたBUILD YOUR DREAMSのロゴはシンプルなBYDの3文字に差し替えられた。内装では回転式の中央ディスプレイが12.8インチから15.6インチに拡大され、Amazon Music、検索ブラウザー、カラオケの3アプリが取得可能になった。
ソフトウェアではデイライトOFF機能、音声認識内容の追加、車両接近警報音の変更、盗難防止警報音の追加などが行われた。これらは販売済み車両にもOTAで追って提供される予定だ。
なお、税込み価格は10万円アップの450万円に改定された。
リセールバリューについて質問された東福寺社長は「出始めの頃のBEVと違い、バッテリーの寿命も長くなった。これが広がればリセールバリューの低さも改善・解消されるのではないか」と話す。また、4月から販売店のデモカーや社用車の入れ替えで認定中古車制度が本格的にスタートするのに伴って「正しい価値を保つ方法で行っていきたい」(東福寺社長)という。