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整備不良で群馬トヨペットに関東運輸局の監査が入る
ステアリング取り付け不良で大事故に至った可能性も
群馬トヨペット(群馬県前橋市・大山駿作社長)の伊勢崎日の出店(群馬県伊勢崎市)で車検整備を実施した車両が、走行中に運転者が異音と振動を感じ路上に緊急停止した。警察が出動し、当該車両を同店に搬送して調べた結果、ステアリングまわりの取り付け部の緩みが発見された。
事情通は話す。「エンジン脱着が必要な整備でした。その後、車検整備と完成検査を行いました。会社は『たまたま締め忘れた』と当局(関東運輸局)に説明しましたが、場所は重要部品です。普段から正しい手順で整備を行なっていれば、防げたトラブルでした。検査員もチェックをやっていない証拠ですね」。
事情通は続けて、「マガジンXさんが何度も記事にしてくれているおかげで、幾らかはマシになったのですが、今でも経営幹部からは『台数を上げろ、売り上げを増やせ」と強く言われており、それが手抜き整備の温床となっています」と厳しく指摘する。
他の事情通によると、群馬トヨペットは昨年にも「貨物車の車検でタイヤの前後装着を間違え、保安基準不適合状態なのに保安基準適合証を発行し、当局から厳重注意を受けたばかり」との情報も寄せられている。
群馬トヨペットは本誌4月号の記事で「社内の風土改革に不退転で取り組む」(樺澤専務)と決意表明したばかりだ。運転者の機転により走行中にハンドルが利かなくなる最悪の事態は免れたが、ひとつ間違えば大惨事になるところだった。トラブルは記者取材後に起きており、樺澤専務の説明が取材時のその場しのぎで、実効性のある取り組みを行っていなかったのでないかとの疑惑も浮上する。
車両法違反内容から推して、「20日程度の指定取り消し」以上の処分が下ると思われる。処分が確定したら、当局の見解も踏まえて続報をお届けしたい。
過日、トヨタ自動車は群馬トヨペットに対して、現場への「職種別アンケート」を行なった。が、「経営側からは『問題なしで提出せよ』との指示があったとか。現場の意見はまったくトヨタ自動車に伝わっていない」(消息筋)との嘆き節が聞こえる。
取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)
※アイキャッチ画像は群馬トヨペット伊勢崎日の出店(同社HPより抜粋)。