フォルクスワーゲン（以下VW）タイプ2の再来を思わせるID.BuzzとID.Buzzカーゴがヨーロッパで発表された。同車は完全電動のピープルムーバーおよび商用バンで、カーボンニュートラルに向けたVWの取り組みを後押しする1台に位置づけられる。
ボディのスリーサイズは4712mm×1985mm×1937mm、ホイールベースは2988mm。
外観には50年代に販売された初代タイプ2を連想させる要素が織り込まれている。なかでもU字型にデザインされたフロントパネルはその典型で、両端にはLEDヘッドランプを配備。空気抵抗が抑えられてCd値は0.285（カーゴは0.29）をマークする。
ボディカラーはモノトーン7色とユニークな塗り分けのツートン4色から選べる。
シャシーにはVWグループのMEBアーキテクチャーが使われ、150kW／310Nmの電気モーターと77kWhのバッテリーが搭載されている。初代タイプ2と同じく、後輪が駆動する。バッテリーは床下に敷き詰められていて低重心化に貢献し、170kWの急速充電設備を使えば30分で80%充電が完了する。
室内には2列シートが配され、1121Lのラゲッジスペースはリアシートを折りたためば2205Lへと拡大できる。また、インパネやシートの差し色はボディカラーと同系色に揃えることもできる。
リサイクル素材が使われる内装トリムにはマークが刻まれていて探し出す楽しみも味わえる。
商用バージョンのID.Buzzカーゴには2または3名分のフロントシートが備わり、パーテーションを挟んだ後方には3.9立方メートルの荷室を用意。
安全装備では衝突被害軽減ブレーキやレーンキープ・アシストに加え、レーンチェンジ・アシストも設定されている。さらに、追ってOTA（無線通信）で機能が追加できる体制も整っている。
現地では5月から予約受付が始まって秋に発売される。また、北米への投入も決まっている。ドイツ・ハノーバーにあるVWコマーシャル・ビークルの工場で生産へ。
