2050年カーボンニュートラル化に向けてマツダが5つの方針と、それに基づいて取り組む技術&商品開発の概要を発表した。
1)ビルディングブロック戦略による技術資産の積み上げと高効率なものづくり
すでに実用化が始まっているスモール商品群に加えて、ラージ商品群の投入に向けて縦置きパワートレインのアーキテクチャーを開発している。
2025年以降は車格やボディ形状を変えられるEV専用プラットフォームが用いられる。研究開発とコスト革新を統括している廣瀬一郎・専務は「制約になっている部分を取り払い、EVに特化したパッケージングと機能が体現できる」と話す。
水素を活かしたパワートレインに関しては「一度は実用化をめざしたが、インフラなど環境要件が整わずに棚入れした。しかし、昨今の(水素を活用した技術に対する注目度上昇など)活発化している状況でインフラが充実していく兆しもあり、過去に開発した技術を活かして進めていきたい」(廣瀬専務・談)と前向きに取り組んでいく旨を語った。
2)マルチソリューション戦略による電動化の推進
スモール商品群とラージ商品群を合わせ、マイルド式ではないハイブリッド(トヨタから供給を受けるTHSの搭載車を含む)とプラグインHVは5車種ずつ、EVは3車種が22年から25年にかけて投入される。前出のEV専用プラットフォーム採用車は25年頃から30年にかけて複数を導入。これによって2030年には生産品目の電動化比率100%、EV比率は25%に達する想定だ。ロードスターも例外ではなく、電動化技術を与えられるという。
3)「人」中心の安全技術普及
人間中心の自動運転コンセプト「マツダCo-Pilotコンセプト」はドライバーの状態をモニタリングし、体調不良などで反応がなくなった時に自動運転に切り替わって安全な場所まで移動、停車、緊急通報。22年リリースのラージ商品群で実用化される予定だ。
4)次世代移動サービスの基盤となるコネクテッド技術&ソフトウェア技術
MaaSへの対応、OTAによってクルマのアップデートが行えるよう、ソフトウェア技術の開発を強化。また、すでに発表されているように次世代の車載通信機を5社(トヨタ、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツ)で共同開発するほか、電気電子アーキテクチャーの次世代化にも取り組む。
5)カーボンニュートラルとCASE時代への「人」中心の開発哲学
人が持つ本来の能力を最大限に発揮することをサポートするクルマを提供することで、人間らしさにあふれたサステイナブルな社会を実現。