日産キックスは静粛性と広さが魅力

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日産キックスは成長著しいコンパクトSUVマーケットでのシェア獲得を狙って投入された新ブランドだ。いまや国内SUVマーケットにおけるスモール級の占有率は43%(日産調べ)に達するほど急成長しており、まもなくヤリスCROSSも参入して競争はますます激化するだろう。ライバル車が増えている中、日産がとくに意識しているのは、SUVでありながら独自のパッケージングによる高いユーティリティを誇るヴェゼルのようだ。
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海外でジュークを刷新したにもかかわらず、なぜ国内から撤退させてキックスを投入したのか。日産自動車・日本商品企画部の米田佳代さんは「後席とラゲッジスペースの広いキックスのほうが国内ユーザーにマッチするのではないか?との結論に至ったから」と説明する。確かにキックスは広いガラスエリアと先代ジュークより50mm広いニースペースのおかげで、後席でも居心地がいい。
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パワートレインは1.2Lエンジンで発電してモーターで走るシリーズ式ハイブリッドのe-POWERのみ。すでにノートとセレナで定評あるユニットだが、キックスでは動力性能と燃費に対する考え方が見直されて制御が大きく変わっている。「ノートでは燃費をもっとも追求したが、キックスでは動力性能と静粛性を向上させることに重点を置いた」と説明するのは同社パワートレイン&EV性能開発部の富樫寛之さんだ。
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感心させられるのは日常域におけるエンジン稼動時の静粛性だ。「ノートでは発電効率がもっとも優れている2375rpmで稼働しているが、キックスでは静粛性を高める狙いで2000rpmに設定している。車速が約40km/hを超えると2375rpmに上がるが、この速度域ではロードノイズや風切り音も発生しているため、急に騒々しくなったと感じることがないように考慮した」(富樫さん談)との説明どおり、全開加速時を除いて試乗中にエンジン音が騒々しいと感じることはほとんどなかった。また、富樫さんの「35km/h以下ではなるべくエンジンが稼動しないように制御を見直した」とのコトバどおり、電池のマネージメントが変更されてEV感が強まっている点もノートとの相違点に挙げられる。
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センターコンソールに設けられたスイッチでドライブモードは「ノーマル」「S(スマート)」「ECO」の3段階に切り替えられる。このうち「S」と「ECO」では回生力が強まり、アクセルペダルから足を離すだけで減速できるワンペダル運転が可能だ。ただし、ノートに比べるとアクセルOFF時の減速Gは弱めに感じられる。この点について富樫さんは「(不慣れな人が運転すると)ギクシャクとしたピッチングが起きて同乗者が酔いやすいとの声があったため、キックスでは立ち上がりのGを弱めた」と説明する。
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ステッチ入りのパッドが貼られたインパネやオレンジタンの差し色が鮮やかな内装が選べるだけでなく、ボディカラーにツートンを含めて13色も用意されているのは朗報だ。プロパイロットまで標準装備されているため、どうしても競合車より割高に見えるが、装備内容も加味すれば十分に競争力はある、と日産は自負している。価格だけが一人歩きせず、キチンと車両の内容を訴求できるかどうかが成功のカギになるだろう。
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主要スペック(X ツートンインテリア・エディション)
●全長×全幅×全高:4290mm×1760mm×1610mm
●ホイールベース:2620mm
●車両重量:1350㎏
●最小回転半径:5.1m
●パワートレイン:電気モーター(129ps/26.5kg-m)&発電用1.2L直3エンジン(82ps/10.5kg-m)
●駆動方式:FF
●WLTCモード燃費:21.6㎞/L
●税込み価格:286万9900円(オプションを含まず)

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