三菱自動車、通期見通し変えぬも
通期の最終赤字不安拭えず!
三菱自動車工業の2020年3月期第3四半期累計決算は、売上高1兆6669億円、営業利益36億円、経常損益は27億円の赤字、当期純損益が118億円の赤字だった。前回発表の通期見込みは変えていない。売上高2兆4500億円、前年同期比2.6%減、営業利益300億円、同73.2%減、経常利益200億円、同83.3%減。
第3四半期累計の販売台数は、前年同期比2%減の87万6000台だった。全体需要の減少に比較して、全般に健闘した印象だが、利益が生まれない状態が続いている。池谷副社長は、市場の劇的な改善は見込めないものの、通期見通しの達成に全力を傾ける方針を示した。
質疑応答。
Q 4年ぶりに最終損益が赤字となった。
A 海外、特にASEANで税支払いが増えた。米中摩擦が世界景気の下押し圧力となっている。米中、ASEANで流通在庫圧縮に取り組んだ。固定費全体の圧縮にも努めている。昨年末の在庫は7万台増だった。現在までに4万台弱削減した。適正レベルに近づいた。適切に対応していく。もうひとつはユーロ、豪ドル、タイバーツの為替差損、品質管理費用も膨らんだ。
Q 中国工場の操業再開に向けて。
A 武漢市に工場はない。湖北省への出張禁止を指示した。関連拠点は2日まで春節休暇を続ける。さらに9日までの休暇延長を検討している。部品供給については万全の態勢で必要な措置をとる。業績への影響については現段階では申し上げられない。
渡航自粛の影響についてはキチッと対応したい。
Q 通期見通しの見直しは?
A 環境は厳しいが、在庫調整は進んできた。4Qについては、国内での軽自動車ハイトワゴンの投入も予定している。当社は4Qに収益が偏る。
Q DEエンジンのデフィート疑いについて。
A 引き続き社内調査を行なっている。国交省には報告している。検察の捜査に協力している。詳細については控える。通期業績への影響は大きくないと考える。
Q 北米市場について。
A 総需要微減の中で競争は激化している。引き続き需要は減少していくだろう。インセンティブを効果的に使う。目標達成に努めたい。業界平均で100ドル上がっているが、当社は500ドル程度引き下げた。
Q 国内サプライヤーについて。
A 水島、岡崎中心に300社程度のサプライヤーがいる。丁寧な対応がもとめられる。販売金融会社との統合は効果が出てきている。
Q 固定費構造改革について。
A 予定通り進んでいる。
Qインドネシア市場について。
A昨年の新型エキスパンダーの影響があった。
Q 欧米事業について。
A 為替の影響がおおきい。
Q アライアンスについて。
A プレスリリースを理解して欲しい。
取材 文 写真/神領 貢 マガジンX編集長