内閣府とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、2月6日と7日の両日、東京お台場で「自動運転のある未来ショーケース~あらゆる人に移動の自由を~」と題した成果発信イベントを開催した。イベントではパネルやモニターによる研究開発の進捗状況の紹介、さらに自動走行バスのデモンストレーションも行われた。
「ソサエティ5.0」の社会とは、いまの情報社会のソサエティ4.0から、さらに人間とAIが結合した融合した社会を指す。「その中で人間はどういう役割を担うのか」(葛巻清吾プログラムディレクター)を具体化していくための研究開発が続けられている。
当日は2014年から始まった「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」における自動走行システムの社会実装化に向けた研究成果が披露された。同プログラムは産学官連携により、各者の「協調領域を研究する」(同)ものだ。葛巻さんはトヨタ自動車の先進技術開発カンパニーのフェローでもいらっしゃる。「今回のプロジェクトにより、国の理解が深まった。このプロジェクトがなければ、国としての方向性は定まらなかった。高速道路から一般道に展開するために社会受容性を高めていかねばならない」と話してくださった。
2020年7月の東京オリンピック・パラリンピック開催時には、今回デモンストレーションが行われた自動運転バスの実装化が実現するはず。自動運転分野における日本のイノベーション加速に期待したいものだ。
取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)