ルノー・日産・三菱はなぜグーグルと組んだのか
コネクティッドの責任者、カル モス氏が記者に答える!!
本日、10月19日、日産自動車本社で先頃、ルノー・日産・三菱アライアンスのアライアンスグローバルバイスプレジデントに就任したカル モス氏が記者への説明会を行った。カル モス氏は今春、メルセデスベンツR&Dノースアメリカから移籍した人だ。
カル モス氏は説明会の冒頭、以下のように語った。
(インフォティメントシステムを)クルマ中心の特徴にフォーカスする。ハンドルを握っている人に楽しんでもらうためだ。
(こうした取組みにより)コネクティッドカーからアフターサービスでの潜在的収入が期待できる。会社にとってコスト削減の機会にもなる。
コネクティッドはクルマのDNAの一部。どんどん機能を追加することでお客様はハッピーになる。我われはお客様がその機能を使っているのか。体験はどうなっているのかを見ることにした。実は情報の多くをスマートフォンから得ていることが分かった。アンドロイドが世界で最も使われているシステム。
(こうした背景から)グーグルと協業することにした。単なるアンドロイドを車載するだけでは決して新しいことではない。グーグルオートモーティブサービスを提供できる。スマートフォンと同じような高度なサービスをクルマで提供できる。
質疑応答。
Q お客様データの扱いは?
A データの一部をグーグルと共有する。お客様の承認なしにデータが共有されることはない。ユーザーがコントロールできる。共有したくなければ、アプリを使わなければ良い選択ができる。すべてのデータがグーグルに行くわけではない。
Q カーウィングスはどうなるのか?
A まだ何も決定していない。当面、影響はない。
Q なぜグーグルに決めたのか?
A 先進的なインフォテインメントは日産も出せる。両社がテーブルの上に出せば、より良いサービスが提供できる。コンビネーションですね。それによってお客様に経験のないサービスを提供できる。
Q カーシェアのマーケットについて?
Aもちろんモビリティは重要。その中心にコネクティッドがある。
Q 収益規模を教えて欲しい。
A 技術的なブロックを積み上げていかなければならない。追加的な収益を得られることが期待できる。しかし、具体的な収益を上げることはできない。カーナビについては、OEMは技術を作る、選択肢を提供してお客様が決める。
Q 中国の位置付けは?
A ボリュームだけでなく非常に先進的。グーグルを中国で使えない。中国の人たちは何を使うのを好むのか、ローカルのサービスプロバイダーを使うだろう。
Q 2022年以降にはすべてのクルマに通信モジュールを積むということか?
A 2022年までには9割にルノー、日産、三菱のクルマに積む。また、ビルトインされていなくてもスマートフォンから受け取れる可能性がある。トムトムについては、オーブンプラットフォームにして、DLできる。カスタマーにチョイスを与える。トラフィックは東京とパリとロスは違う。
Q グーグルが主導権を握るないか。
A お客様が決める。自分が好きなものを決める。私はアイフォーンを使うが、地図はグーグルマップを使っている。決めるのはお客様。対話のためにはグーグルアシスタントを使う。
Q パートナーシップは色々ある。
A ダイムラーとの協業は公になっている。マイクロソフトとも組んでいる。その他たくさんのところと組んでいる。
Q 2021年投入は時間がかかっている印象がある。課題は何か?
A 非常に重要な点は、ベストの経験をお客様に提供したい。いまはスマートフォンから得ている。ひとつはソフトウェア。もっと重要なのはハードウェア。スマホの中のハードウェアはクルマよりずっと進んでいる。クルマのレベルは高い。故障が起こらないようにしなければならない。絶対クラッシュしない、データがリークしないなど、お客様の要求が高い。(防塵、防振、熱などの)制約もある。
ひとつはインハウスでやっていた。テクノロジーカンパニーと組む、などこっちがいい、あっちがいいのは決める。
ふたつの巨体企業が力を合わせることが重要。お客様はアンドロイドのシステムに馴染んでいるだろうと自信を持っている。
Q ダイムラーとの提携について?
A コネクティッドの領域では提携していない。
Q 他社との差別化のポイントは?
A ほかのクルマに将来入ることになっても、経験がある。最善の経験をお客様に提供する。ユーザーインターフェースをやっている。アンドロイドのオートプロジェクトモードは他社でも同じだが、その上に乗せるものは我々独自のもの。
クラウドは改善されていく。インテリジェント アライアンス クラウドではもっと進んだものになる。
発表したのはコネクティッドとマルチメディアだけに使っている。ほかのシステムには使っていない。
Q データの規模は格段に増えて行く時のデータセンターなどインフラづくりは?
A データアナリティクスをやる。データの質が重要。すべての国で規制を定義する。お客様がカスタマーデータの収集を容認するのか?色々なタイプのデータを分析する。データに基づいた将来のサービスを提供する。お客様が喜んでくれる。