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【フィアット600ハイブリッド】
欧州的速度域で真価発揮
プジョー、シトロエン、フィアット、オペルなどの14ブランドを有するステランティスは、ベルギーのパンチ(Punch)パワートレインと共同開発したDHT(ハイブリッド専用変速機)を搭載する48ボルト電源駆動のMHEV(マイルド・ハイブリッド車)を複数ブランドで用意した。そのうちの1台がフィアット600である。搭載エンジンは136psの1.2ℓ直列3気筒ガソリンターボで、これに16kWの小さな電動モーターを組み合わせたDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を合体させた。本誌評価陣は「フィアットらしいリズム感とキビキビ走る点がいい」と評価した。
300万円台が百花繚乱
エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) フィアット・ブランドの48ボルトMHEVだ。プラットフォームは旧PSA(プジョーS.A)が中国・東風汽車と共同開発したCMP=コモン・モジュール・プラットフォーム(アンダーボディを中心とした車両骨格)を使う。CMPの初出しは2018年のDS3だったが、その後PSAがフィアット・クライスラーやオペル/ボグソールなどと経営統合してからはアルファロメオ、オペル/ボグソール、ジープ、プジョー、シトロエン、東風アイオロスが使っている。さらにステランティスのB/CセグメントBEV(バッテリー電気自動車)は、このCMPをベースにした「e‐CMP」を仕立てて使っている。とにかくステランティスにとっては最量販プラットフォームだ。その中のフィアット版であるフィアット600の48ボルトMHEV仕様が今回の評価テーマだ。
チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) 皆さんに乗ってもらった仕様は「ラ・プリマ」で、車両価格419万円。いちおうひと通りの装備は付いている。タイヤはグッドイヤー・エフィシェンシーグリップで、サイズは215/55R18という最近の試乗車の中では扁平率の緩いタイヤだ。
元部品メーカーのエンジニア(以下=部) フィアット600そのものはすでに販売されていますが、この600MHEVの車両価格で見ると、ほぼ同サイズでルノー・キャプチャーやVW(フォルクスワーゲン)Tクロスなどがひしめいています。いま、日本では300万円台後半の価格帯に輸入車の良いモデルが揃っています。
ベテラン実験ドライバー(以下=T) ホンダ・ステップワゴンや日産セレナも同じ価格帯だ。欧州では量販モデルとなるBセグメントのMHEVだが、日本ではプリウスやヴェゼルといったHEV(ハイブリッドエレクトリックビークル=いわゆるハイブリッド車)とも価格帯が重なる。輸入車は販売店が少なく、点検修理を心配する人が多いが、片道20㎞圏内にあればほとんど問題はないから選択肢に入れてもいい。
自動車業界の事情通(以下=通) いまのフランス車やイタリア車は、昔みたいにしょっちゅう起こるマイナートラブルを抱えているわけじゃないからね。個体の「アタリ・ハズレ」の確率は日本車のほうが小さいかもしれないが、我われのまわりにいる欧州Bセグメントユーザーを見ていても、故障で困っている人はほとんどいない。
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