2030年時点での世界EV比率を25〜40%と見積もっているマツダは規制やユーザーのニーズ、社会インフラなどを見ながら商品の電動化を進めている。22年に公表した計画で、30年度までの9年間を3つのフェーズに分けた。
22〜24年度の第1フェーズ「電動化時代に向けた開発強化」ではラージ商品群を投入し、プラグインHEVやマイルドHEVで環境性能と走りの良さを両立させることに取り組んだ。やや計画より遅れたものの、何とかCX-80の投入まで行き着いた。
25年度から27年度までの第2フェーズは「電動化へのトランジション」と定められている。具体的にはグローバルにEVを投入するほか、新しいハイブリッド機構の実用化も視野に入っている。併せてバッテリー技術の開発強化も進むだろう。
そして28年度から30年度までの第3フェーズではEV専用車を本格導入し、電動化時代への波に乗る目論見だ。
ラージ商品群の市場投入が一段落したところで、次はスモール商品群の刷新が始まる。最初にリリースされるのは次期CX-5で、17年のデビュー以来、8年ぶりの世代交代で3代目にバトンタッチを果たす。
電動化については新しいハイブリッド機構が初採用される点が見逃せない。欧州仕様はCAFE(企業平均燃費)規制に対応すべく、すでにマイルド・ハイブリッド機構が織り込まれているが、次期モデルには違うシステムが起用される。また、海外専売のCX-50にはトヨタ製のA25型2.5L直4とTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)が搭載されているが、これとも異なる自社開発ユニットが初お目見えする。
人馬一体というキーワードに代表されるように、マツダは長らく『意のままのドライブフィール』にこだわってきた。そのため、ドライバビリティ優先のクルマに仕立てられるに違いない。
思い返せば、近年のマツダを支えてきたスカイアクティブ技術は堅実にテクノロジーのひとつひとつを開発して積み重ねるビルディング・ブロック戦略が実った結果と言えるだろう。世界一の高圧縮比ガソリンエンジンと、世界一の低圧縮比ディーゼルエンジンの開発を宣言した時には世間が驚いて「本当にできるのか」といった懐疑的な声も聞かれた。しかし、それらを実現してブランド価値を高めることに成功したことは説明するまでもない。
その後のスカイアクティブXは不発に終わってしまった感も否めないが、めげることなく次世代ガソリンエンジンであるスカイアクティブZの開発が進められている。スーパーリーン燃焼がポイントのスカイアクティブZは27年頃の市販化が計画されている。
12月25日発売のマガジンX 2月号ではCX-5に搭載されるハイブリッド機構の見どころや外観デザインを予想しているので、是非チェックしてください。
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