2024年11月号『ざ・総括。』ZEEKR001/欧拉・好猫の記事がnoteから購入できるようになりました

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マガジンX 2024年11月号(9月26日発売)に掲載された『ざ・総括。』ZEEKR001/欧拉・好猫の記事をnoteにて税込300円で購入できるようになりました。以下は無料公開の冒頭部分です。続きを読みたい方はその下のリンクからご購入ください。

【ZEEKR001/欧拉・好猫】

中国製BEVは「まだまだ」か?

「日本はBEV(バッテリー電気自動車)で出遅れた」と、いまだに新聞系と経済誌系はこういう論調で記事を書いている。しかし、実際にはアメリカも欧州も消費者はまだBEV時代ではなく、唯一中国だけが突出してBEV販売台数が多い。では、中国で売れている中国ブランドBEVの実力とはどんなものなのか。前号では日本でも販売が始まったBYDオートのBEVを取り上げたが、今回は吉利汽車と長城汽車のBEVだ。中国の民営系OEM(自動車メーカー)の中では吉利、長城、奇瑞、BYDが四天王であり、とくに若いユーザーからの支持が厚い。はたして製品の出来は…。

デジタルツインの活用

エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) 今回は中国・吉利汽車の上級ブランド「ZEEKR(ジーカー)」の最初のモデルである2022年モデルの「001」と、長城汽車の普及ブランド「欧拉(オラ)」の小型BEV「好猫」に乗ってもらった。某サプライヤーと調査会社の持ち物なので試乗コースは限られていて、試乗時間も短かったが、全体の印象は感じ取ってもらえたと思う。日本のメディア、とくに新聞系や経済誌系が礼賛する中国製BEVは、前回試乗したBYDではまだまだ発展途上であることを確認した。クルマは「走らせてナンボ」であり、その議論を抜きには語れない。今回も同じ視点で語ってほしい。

チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) ということで、みなさんに乗ってもらった中国仕様のBEVの2台はどれも日本には輸入されていない。ジーカー001は全長4955㎜×全幅2225㎜(ミラー含む)×全高1560㎜(アンテナ含む)、ホイールベース2999㎜だから、欧州で言えばD〜Eセグメントだ。前後にモーターを積むAWD(オールホイールドライブ=全輪駆動)で合計出力は400kWと強力だ。試乗車の仕様は29万5000元(約590万円)とのことだが、中国では現在、すでに新しいマイナーチェンジモデルが販売されている。欧拉は女性のBEV愛好家を育てる目的で創設された長城汽車のブランドで「猫シリーズ」を展開している。好猫は新車価格11〜14万元(約220〜280万円)で、全長4235㎜×全幅1825㎜(ミラー含む)×全高1596㎜、ホイールベース2650㎜の前輪駆動で、モーター出力は105kW、電池は中国の普及モデルでは一般的なLFP(リン酸鉄)系だ。タイヤは中国銘柄の215/50R18。

部品メーカーのエンジニア(以下=部) 中国でNEV(ニュー・エナジー・ビークル=新能源車)に分類されるのはBEVとPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)とFCEV(燃料電池電気自動車)ですが、今年7月はその販売比率が乗用車全体の50%を超えました。すでにNEV補助金は廃止になっていますが、購入税の減額は続いています。それと、中国もガソリン価格が高くなりましたから、純粋にトータルコストでBEVを選ぶ人もいます。さらにBEV専用ナンバープレートは通行も優先されていますから、大都市の中心部へ通勤する人にとっては、いまや必須です。

自動車業界の事情通(以下=通) 中国では、見た目でクルマを選ぶ傾向が強いと聞いている。これを「顔面偏差値」と言うらしい。一方、信頼できるかどうかは別として、中国政府発表の女性の運転免許保有者は1億6000万人を超えた。その8割が30歳代以下だというから、女性向けの自動車市場は極めて大きく、今後の成長株だ。

ベテラン実験ドライバー(以下=T) 自分が仕事を手伝っている某欧州企業で聞いた話では、中国OEMが日本の軽自動車を徹底的に研究しているということだ。女性の軽ユーザーの意識調査は日本の調査会社に委託しているそうだ。日系OEMで商品企画担当者だった人も協力している。中国企業は金払いがいいから日本人は喜んで協力する。日本企業の薄給に耐えてきたことへの腹いせでもあるよ。

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