ビッグモーター社員、多数が中古車査定士資格不所持か
査定資格者でなくても査定はできるが
ビッグモーターを取材する中で、同社の中古車査定業務を行っている人のうち、「多数が査定士(アジャスター)の資格を持っていない」(事情通)との有力情報を得た。「最大で9割が資格を有していない」(同)言われる。
これについて中古車査定制度の普及促進と査定資格技能検定を主宰している一般社団法人日本自動車査定協会(以下協会)に聞いた。
結論から言うと中古車を査定するのに「資格がなくても何らかの法律に触れることはない」(業務課)そうだ。
「中古自動車査定士(以下査定士)」の技能検定は毎年2回程度行われている。直近は今年12月13日だ。査定士の資格を取得するとライセンスカード(登録証)が発行される。「3年に1回、更新時講習を受けてもらうことで最新の技術情報を得られる」(同)など、消費者視点からは査定内容の信頼性について大きな目安となる。登録査定士は現在、全国に「13万人ほど登録されている」(同)という。
査定士が所属しているお店は、「査定業務実施店(会員店)」の看板を掲げることができる。協会のホームページを見れば、業務実施店はすぐに見つけられる。査定業務実施店が3名以上いるお店は、年間2万4000円の賛助金を協会に納めなければならない。
「査定のノウハウは現場でのスキルも大切」(同)だから、中古車査定士資格の有無だけでアジャスターの目利き力を判断するのは難しい。だが、そうした資格を有しているかどうかは、中古車店のお店と社員の中古車選びの目安にはなりそうだ。
http://www.jaai.or.jp/shisho/kantou/tokyo/tokyo.html
取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)