トヨタ佐藤新社長、荒波の中の船出

スポンサーリンク

トヨタが規模で日本一のメーカーであり、販売台数で世界一である。これは昨年の数字としてはその通りです。

では、「世界一」が今年以降も続くのか。これは簡単ではありません。モーター化、半導体不足、中国の混乱、ロシアとウクライナの戦争などなど変数は枚挙にいとまがないからです。

世界視点では「いたずらに数を追わない」章男社長時代の原点を忘れない経営姿勢が次世代への生き残りにとって大切でしょう。

翻って日本です。企業規模で「日本一のメーカー」であるため、「責任」ある行動を長らく求められて来ました。が、公約の「国内300万台生産」も2年続けて達成できず、系列ディーラーの不祥事が相次ぎました。日野自動車に認証不正発覚は記憶に新しいところです。

マガジンXが追及してきた系列各社による車検不正や保険金過剰請求、パワハラ常態化を持ち出さなくても、自動車業界に行きたいと考える人は決して多くありません。これはトヨタのリーダーシップ欠如によるところが大きいと思います。

モータースポーツシーンから発信を続けることや、トヨタの取り組みに対して懐疑的な論評をするメディアや人を遠ざけることで、自らのパフォーマンスを強調し「万人受け」はしていた章男社長ですが、足元はかなり揺らいでいると感じます。

少子高齢化が進行している今、「自動車産業を魅力的な産業にして働き手を呼び込まなければならない」趣旨の発言を自動車総連の金子会長は昨日話していました。

全くその通りですが、トヨタ自動車を筆頭とする一部の人たちの高待遇に比べて、現場の人たちの生活向上は一向に改善されません。

一般の人たちはともかく、自動車産業に従事する人たちからすれば「トヨタに何かを期待しても状況は変わらない」ことを知っています。

トヨタと仕事で関わったことのない人と、トヨタと何らかの付き合いのある人で、トヨタに対する見方が大きく異なるのはそのためです。トヨタの社員の中にも章男社長に面従腹背してきた人たちはたくさんいますね。

久しぶりのサラリーマン社長として佐藤さんが、「日本と世界に欠くべからざる会社」として、トヨタ自動車を次世代にも残していけるのか。難しいタイミングでの交代となりました。

スポンサーリンク