トヨタ自動車の国内唯一の直資本ディーラーであるトヨタモビリティ東京が運営するレクサス高輪で不正車検が摘発された。6月17日に国交省の監査が入り、その後の調べで直近2年間で565台の車検不正が確認された。同店の車検整備のうち約三分の一の規模。完成検査記録簿の書き換えや検査未実施などに検査員5名のうち4名が関与していた。
トヨタモビリティ東京の関島誠一社長は、サービス部門に慢性的に高負荷がかかっていた、時間優先に陥っていたなどと釈明した。
記者は不正車検、パワハラ、顧客満足低下は、性急すぎるトヨタ自動車の国内販売店改革が原因ではないか?と質問した。
これについてトヨタ自動車国内販売事業本部の佐藤康彦本部長は、「責任を痛感している。ゼロペースで顧客の信頼回復できるようディーラーと一緒に改善に取り組む」と決意を語った。
マガジンXが昨年来、指摘しているように、トヨタ自動車の国内販売網改革によって、顧客満足や従業員満足より数字が優先される傾向になっている。「トヨタに関わる人たちに幸せを届ける」が吹き飛んでしまっていると言ったら言い過ぎだろうか。関係者の声を真摯に聞き、現場とともにあるべき姿を求めて欲しいものだ。
取材 文 写真/神領貢 マガジンX編集長