現行カングーに有終の美を飾るディーゼルMT登場

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現行カングーが生産終了を迎えた。いまやカングーにとって日本は世界でも有数の“お得意様”マーケットになり、1500台を超えるカングーが富士山の麓に集まる「カングー・ジャンボリー」はフランスのルノー本社も注目するほどのイベントで、いかにしてカングーを個人ユーザーに売っていくか、参考にしているようだ。

最終ロットとして組み立てられた2代目カングーは日本向け、しかも初導入のディーゼル搭載車だ。販売台数は400台に限られ、1.5Lディーゼルターボ(116ps/26.5kg-m)と、このエンジンのためにギヤ比が専用化された6速MTがポイントにあげられる。
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尿素水溶液(AdBlue)を用いてNOxを除去するSCRと、PM(すす、煤煙)を除去するDPFが採用されていて十分な環境性能が確保されていることは言うまでもない。しかし、日本独自の排ガス規制をクリアするためにエンジンの制御コンピューターが設定し直され、それに伴うドライバビリティの悪化を回避するために再チューンされるなど、想像以上に手がかかっている。以前から欧州で販売されていたディーゼル車を右ハンドル化しただけではない。
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静粛性は予想以上に高いレベルで、ディーゼル特有の乾いたカラカラ音はほとんど聞こえない。2800rpm程度まで引っ張り気味にして運転するとスピードに乗りやすく、リズミカルに走れる。また、1500mmを超える前後トレッドのおかげで高速安定性も高く、100km/h巡航でも不安を感じるはない。

最終モデルとして7月8日に発売される「リミテッド・ディーゼルMT」には、これまでの限定車と同じく無塗装ブラックのバンパー、黒“鉄チン”ホイール、LEDデイライト、バックソナーが特別装備される。同じ6速MTのガソリン車(1.2Lターボ)より27万4000円高い282万円に値づけされるが、購入時にはエコカー減税と環境性能割で約9万5300円の優遇を受けられるため、価格差は見た目より縮まる。
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一番の問題は、コロナ禍の影響もあって生産がままならず、国内で慢性的なカングー不足が発生していて引き合いが多いことだ。パワートレインを問わず、2代目が新車で買える時間は残り少ないので、興味のある人は最寄りの正規ディーラーに急いで問い合わせることをオススメしたい。

主要スペック(リミテッド・ディーゼルMT)
●全長×全幅×全高:4280mm×1830mm×1810mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1520kg
●最小回転半径:5.4m
●パワートレイン:1.5L直4ディーゼルターボ(116ps/26.5kg-m)
●駆動方式:FF
●WLTCモード燃費:19.0km/L
●税込み価格:282.0万円(オプションを含まず)

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