マツダMX-30のEVバージョンをベースにした自操式車両の開発が佳境に入っている。このクルマは下肢に障害のある人が自ら運転して出かけられるクルマとして秋に市販化される予定だ。
すでにロードスターで手動運転装置が実用化されているが、MX-30で開発されている装置はOFFにして通常のペダル運転も行える点が新しい。すなわち、健常者と身障者がクルマをシェアでき、一緒に出かけて途中で運転を替わることもできる。
アクセルは欧州で一般的なステアリング設置型のリング(親指で奥に押すと加速)、ブレーキはコンソール脇に設けられたレバーで操作する方式だ。アクセルリングには定速と加速の変化点がわかるよう変曲点(節目)があり、ギクシャクした動きを避けられる。また、ブレーキは微調整しやすいよう、左ヒジを支点にできる専用アームレストを設置。
車椅子は持ち上げて自分の前を通過させて助手席に置く方式が一般的だが、MX-30では観音開きドアのメリットを活かして後席に載せる方式を提案。運転席側のリアドアが電動化されていてフロントドアとインパネに設けられたスイッチで遠隔操作できる。
車両の開発に際して36件の特許を届け出るとともに、約6kgの軽い車椅子も準備中だというから、登場が楽しみだね。