12月16日、さきほどトヨタ自動車は新型ヤリスとして2度目のリコールを届出た。5月に届け出られたリコールは車両安定制御機能(VSC)の不具合だった。今回届け出られたのはトランスミッションインプットダンパーの不具合だ。エンジンとモーターの動力を最適に駆動力配分するこのパーツは、トヨタ・ハイブリッド・システム(THS-II)の重要構成部品のひとつである。
リコール届出情報によれば、インプットダンパーをサビから保護する「防錆油の塗布が不適切なため、ダンパーの動力伝達部に油が付着することがある。そのため急加速の際、当該部分に異常な滑りが生じ、警告灯が点灯し、最悪の場合、ハイブリッドシステムが停止する」としている。不具合認知件数は74件に及ぶ。
なお、警告灯(マスター・ウォーニング)が点灯しても走行は可能。「安全な場所に移動してスイッチを一旦切り、再度スイッチオンすれば警告灯は消える」(整備現場のメカニック)ので、万が一、走行中に警告灯が点灯しても慌てず冷静に対応するようにしたい。未対策のままだと警告灯は再点灯する可能性がある。
トヨタは2019年12月から2020年10月までに製造されたヤリスとヤリスクロス3.7万台(国内分、別途豪州、アジア輸出分0.2万台)について、当該ダンパーを全車対策品と交換する。エンジンを車体から下ろしての作業となるので、ディーラーには早めに入庫予約したい。
同時にシートベルトアンカーブラケットの加工が不適切なため、緊急時にブラケットでシートベルトを切ってしまう不具合もリコールが届け出られた。こちらは1.3万台が対象。両車合計で市場措置は4.5万台に及ぶ。
https://www.mlit.go.jp/index.html
https://toyota.jp/recall/2020/1216.html
取材・文/神領 貢(本誌編集長)