「リコールステッカー」廃止!!
OTAによる不具合改修進める
11月1日から、リコール改修済み(改善措置済み)の際に車体に貼付されていた「リコールステッカー」が廃止される。10月31日までに届出を行ったリコールも含め廃止される。
国交省が発表したのは施行日からわずか1週刊前の10月23日のことだ。当該のクルマについて、リコールの改修が済んでいるかどうか、ひと目で分かるステッカーだけに、突然に見える廃止発表にはユーザーから戸惑いの声も聞かれる。
廃止の理由に「自動車ユーザーの利便性を損なう」とあったので、この点をリコール監理室に聞いた。監理室によれば、同じ11月1日から期を一にして、「OTA(Over the Air=無線通信によるソフトウェアの更新)を使ったリコール改修が始まる」とのこと。この場合、ユーザーはディーラーに車両を持ち込まなくてもリコール改修を受けられるようになる。そうなると改修済みステッカーを貼ってもらいに行くためだけにディーラーに行く手間が増える。これをして「ユーザーの利便性を損なう」と言うことのようだ。
加えて、「ステッカーだと経年や故意によりステッカーが剥がれる場合がある」とも指摘する。とは言え、OTAはまだこれから始まるサービスだ。無線対応していない車両も現実に存在する。また、スマホのアップデートのように、市中に新型車を投入してから、不具合が見つかれば、「直せばいい」とメーカーが考えて発売前の品質確認の追い込みがおざなりになってしまわないかとの懸念も残る。
スマホと違い、クルマの不具合は人の命に直結するだけにもう少しOTAリコール改修の状況を確認してからでも、ステッカー廃止は遅くないのでは思う。
なお、マイカーについてリコール改修済みかどうかを確認するためには、メーカーのウエブサイトなどで、専用ページにアクセスし車台番号を入力すれば検索できる。中古車購入時も、「販売店がお客様に車台番号を教えるのは当然」(リコール監理室)ということだから、リコール改修の有無を事前に調べる際は、車台番号で確認するようにしたい。ところで、ネット通販の場合はどうなるのかな。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/recall_labelinfo.html
取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)