日野自動車が2019年度・第3四半期決算を発表した。売上高は1兆3743億円(前年同期比5.8%減)、営業利益は482億円(同23.6%減)、経常利益は450億円(同27.6%減)、純利益は299億円(同21.0%減)だった。
期間中(9カ月間)の国内トラック&バス総需要は15万1402台(同ほぼ±0)だったのに対して日野の販売実績は4万9170台(同3.4%減)で、マーケットシェアは過去最高だった前年同期の33.6%から32.5%に微減。
それ以上に深刻なのがアジア市場の回復の遅れだ。なかでもインドネシアでの販売台数は2万3039台で前年同期より25.8%も減った。会見に臨んだ佐藤真一専務は「(需要は)回復してはいるが、今後も動向を慎重に見ていきたい」と予断を許さない状況が続く見通しを示した。また、タイでの販売台数は9503台(同6.6%減)だった。こうした海外での販売減は209億円の減収につながり、純利益を前年同期の379億円から299億円へと押し下げる一番の要因となった。
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会見に集まった報道陣からは新型コロナウイルスの影響を問う質問が相次いだ。これに対して中根健人専務は「従業員の安全確保と拡散防止を図ることが第一。日本からの出向者(約35名)のほとんどは春節に合わせて帰国済みだが、残っている4〜5名は自宅待機中。今後、帰国を含めて検討中」「情報を集めて生産など今後の対応を検討していきたい」と回答した。