さすが官僚!! 令和元年度の自賠責保険積立金繰り戻し12.5億円増の理屈

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先に今年度補正予算で「サポカー導入補助金」に12.5億円の自賠責保険積立金運用益が使われたとのスクープ記事を書いた。ご記憶の方も多いと思う。本件について、「明日の大臣会見で繰り戻しについて質問する」と国交省広報課に伝えたところ、担当部署から連絡がきた。

内容はこうだ。新設されるサポカー導入補助金1127億円は65歳以上のドライバーが購入するサポカーに対して登録車新車で10万円、軽自動車新車で7万円の補助がでる(添付参照)。このうち、国交省が負担するのは事業用車両分(有り体に言えばタクシー向けです)12.5億円。
この金額と同額が令和元年度の当初の繰り戻し金予算37.2億円に加えて令和元年度に自動車安全特会に繰り戻される。
それを基に同額をサボカー導入補助金として65歳以上のタクシードライバー向けの車両用に交付される仕組み。タクシー事業者における65歳以上の定義も、とくに事業会社については運用が曖昧に感じるが、財務省も国交省も(12.5億円を繰り戻した後に)安全対策特別会計から安全対策に支出するのだから問題にないとする。なお、一般ユーザー分は1127億円から12.5億円を差し引いた金額になる。

担当部署に対しては、「被害者救済と安全対策を同列で語るべきではないし、政策ごとに繰り戻しを行うやり方は事実上、6000億円を今後の安全対策財源として活用するものだ」と釘をさしておいた。
「加入者の理解が得られるよう公平性と透明性を担保して施策に取組む」(保障制度参事官室)というコメントをもらっておいた。まぁ、さすが、理論武装に長けた官僚の物言いと言ったところか。
取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)

 

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