「キチッと議論」その先が知りたい!
本日夕刻、日産の内田新社長が就任会見を行った。
内田さんは、「尊重、信頼性、透明の言葉の重要性を確信した。ワンチームの風土を醸成する。ニッサンウェイを見直す」と決意を示すが、一方で、具体的取り組みについては、「グプタCOO、関副COOとの三者で良く議論する、ルノー、日産、三菱の三社でキチッと議論する」と、これから感は否めない。
経営環境の折、ゆっくりやっている余裕はない。「調整型」と言われる内田新社長のリーダーシップに注目しなければならない。技術とアライアンス、そして社員そのものが日産の強みと話すが、その社員、従業員のやる気をいかに高め、ひとつにまとめるのか。未知数の部分は多い。以下は質疑応答の要旨。
質疑応答。
Q 率直な感想は?
A 非常に厳しい環境にいる。まずは覚悟を決めること。個々の能力は非常に高い。コミット&ターゲットの中で、社員が課題と透明性を持ってやっていく。リージョン間のコミュニケーションを持ってやる。
Q日産の強みと課題について。
A アライアンスは日産にとって重要な競争力。お互いにメリットがないとダメ。キチッと貢献できることが大切。ルノー、三菱とも話した。時期が来たらお話しする。
以前は総合商社にいた。白紙からビジネスを作る経験ができる。変化に順応性をもって、日産を強くしたい。社員が誇りに思える会社にしたい。しばらく時間を要する。減収減益の状況も受け止める。経営陣と良く協議する。技術は世界をリードするもの。社員、技術、アライアンスの3つが日産の強い部分。これをさらに強くしていく。
Q 3人の役割分担について。
A グプタCOOは会社全体を見ていく。現場を含めた事業をみる。関さんは構造改革、商品に責任を持つ。内田新社長は全体の責任を持つ。社内でのガバナンスを強化し、意思決定を早めていく。
Qアライアンスについて。
A各会社にとって売上げ、利益のメリットがないとダメ。ここ数年のアライアンスは正しかったのか、キチッと三社で論議して進めていこうと。経営統合の話は全くしていない。
Q CASEについて。
A 今後の将来について、どのような形でできるか今後説明できるように進めていく。
Q タクシーについて。
A 日本市場をきっちり見ていく。
Q 中計の見直しは?
A 状況に応じて策定していく必要がある。もう一度論議を重ねた上で説明したい。固定費を見ていけるかが重要。新車、新技術を伸ばせるか。将来の成長は新車軸で見ていく。
アメリカ事業は着実に販売の質は向上している。まだ時間はかかるが、チャレンジできる目標を決めてやっていく。
Q ゴーン氏について。
A リバイバルに向けての経営の考え方は間違っていない。昨今の話は経営手法とは別。ルノーとの資本提携の話はしていない。ルノー、日産は収益面で苦戦している。アライアンスを活用して利益を上げられるかにまずは集中すべき。
Q 国内市場への取り組みについて。
A 日本はホームマーケット。星野さんをリーダーの元、ディーラー経営者と話した。信頼回復の上、日産のプレゼンスを上げていく。
日産車を私も大好きです。93年にフェアレディZを買った。日産車は非常ななワクワクする。さらに強みを高めていきたい。
先週もパリにいた。ポイントはアライアンスを強くさせるか。
Q ワンチームに込めた意味は?
A お客様第一は今も昔も変わらない。できないことをできるのではなく尊重と信頼。これをワンチーム。
Q アジアについて。
A 関さんを中心に事業戦略を進めている。
Q 10年後に社会ニーズを満たせる会社とは?
A 大きく変わる。強い技術を将来に進化させたい。絵は描ききれていないが、どこに向かっていくのか。キチッと社内で論義を重ねてお話しで描けるようにしたい。
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取材 文 写真/神領 貢 マガジンx 編集長