三菱自動車の益子CEO、 2019年度は「量から質への転換」の年

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三菱自動車の益子CEO、
2019年度は「量から質への転換」の年

三菱自動車の2018年度決算は、売上高2兆5146億円、前年度比3222億円増、営業利益1118億円、同136億円増だった。営業利益率は前の期から0.1ポイント下がって4.4%。

期中の世界販売台数は、124.4万台で同14.3万台と大幅に伸びた。
当期の見通しは、売上高2兆5800億円、前年度比654億円増、営業利益900億円と増収減益を見込む。世界販売台数は同6.1万台増の130.5万台を計画。
益子CEO。
競争力のあるセグメントに経営資源を集中する。足踏みをしても長期的な成長を目指す。全方位の拡大戦略をとることは現実的でない。規模の拡大よりも「スモール バットビューティフル」と題した中計。
グフタCOO。
不確実性が高まっている。予想は困難。息をする暇もなくPDCAを回す。小さいことは制約ではない。生き残るために集中し、素早く動く。
販売の強化、コスト競争力の強化、投資の優先順位をつける。
質疑応答の要旨。
Q 世界市場に対する認識は?
A 1年前と比べて景気が悪化し、不透明感がたかまっている。いつ決着するか分からない。ブレグジッド、米中経済問題、ASEANの選挙の結果が出てこない。2019年度をシビアに見た結果。出来るだけ不確定な要素は盛り込もうとしているが、居心地は悪い。
Q 今期の純利益5割減少の意味は?
A 北米の税効果が出ない。税金の支払いが出てくる。
Q CASEについて。
A プラットフォーム自体が今のクルマと全く違ったものになっている。開発費が2倍くらいになる。そうでないと対応できないことに直面している。ASEANが求めるクルマも開発しなければならない。ジレンマを抱えている。先進国向けに高度なクルマを開発し過ぎると研究費が増える。しばらくの間、時間が必要。2.3年先に利益を生むようになるまでどうやっていくか。
GW中に5年ぶりにシリコンバレーに行った。ウーバーやアマゾンゴーも体験した。ものづくりのチカラだけでは将来はない。量産技術だけでは行かない。テスラにも乗った。レベル2のクルマにも乗った。
Qルノー日産経営統合について。
Aコメントする立場にない。具体的に話したことはない。アライアンスはツール。独立した経営をすることに意味がある。経営統合が3社にメリットを生むことは考えにくい。相手が嫌がることを無理に押し通すべきではない。喜んで受け入れられる環境になければ、うまくいかない。
アライアンスが規模の小さい当社にとっては必要。アライアンスに属していれば安泰の幻想を捨て、自ら考え、実行し、ステークホルダーに説明できること。裏付けとなる充実したガバナンス体制が必要。
ゴーン前会長とは昨年秋に、少し考えを変えませんかという話をした。「スモールバットビューティフル」の言葉もゴーン前会長から出た。
急ぎすぎていませんか?
短期的な成果を求めると無理が出る。進む方向を慎重に見極めることも必要。
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