トヨタ自動車の第3四半期決算は増収増益
売上高、営業利益見通しに変更なし
国内生産300万台は「母国日本」のために
なんとしても守っていきたい!
トヨタ自動車の今年度第3四半期累計決算は、売上高22兆4755億円、前年同期比3.1%増、営業利益1兆9379億円、同9.5%増だった。営業利益率は前年同期の8.1%から8.6%となっている。
通期の見通しは売上高29兆5000億円、前年同期比0.4%増、営業利益2兆4000億円、同横ばいは変えていない。なお、通期の税引前当期純利益は2兆2000億円、同16.0%減とした。
9か月間の連結世界販売台数は、670.1万台、前年同期比2.3万台増だった。通期でのグループ総販売台数は従来の1050万台から5万台増の1055万台に上方修正した。
質疑応答。
Qコネクテッドの収益化見通しは?
A 投資効果額から単年の投資額を引いたものでは、コネクテッド戦略がスタートして2年経つが、業務改善効果は非常に大きい。具体的なもの数字は言えない。
Q純利益下方修正の理由は?
A 関連会社以外の保有株式評価上の損益を決算書に織り込んだため。
Q イギリス工場の対応は?
A 合意なき離脱の状況になると影響は避けられない。そうならないように動向を注視したい。現時点で生産台数に変更はない。追加支援の要請は現時点で考えていない。88%はEU27カ国に売り、部品200万点が入ってくる。合意なき離脱はなんとしても回避してもらわなければならない。
Q 国内生産300万台の維持について。
A 台数はしっかりまもっていきたい。競争力のある技術開発、TPSを含めた人材育成には、母国日本のために何としても守っていきたい
曙ブレーキの競争力強化について一緒にやっていきたい。
2020年に向けて販売台数の半分くらいをTNGAになる。章男社長はTPSと原価低減を掲げた。基本的には原価のまわりにムダがある。原価低減とは原価改善である。経営哲学と改善の進め方がTPS。製造だけでなくすべての業務とプロセスに反映させる。経理も20%の原価改善を果たした。開発ではリードタイムを10%削減した。仕入先とトヨタが一体になってやっている。章男社長の「生き残るための危機意識」は全社に浸透している。
MaaS戦略は地域によって変わる。国内はトヨタレンタカーが主体となる。KINTOもそう。地域によって使い分ける。クルマはトヨタ、サービス、メンテナンスも含めて収益を確保していく。
Q持分法投資損益について。
A 中国は増益。全体としては減益見通し。
Q イーパレットの開発進捗について。
A 順調に進んでいる。
Q利益の下方修正について。
A 軽んじてはいけないが、将来的な競争力を左右するような下方修正ではないと考えている。
Q 利益の源泉があじあに偏っているのではないか?
A アジア、中国は順調。欧州もハイブリッド車が堅調。北米の収益率は落ちている。あらゆることに取り組んで3年程度で収益率を戻したい。インセンティブも3Qは前期を下回ってきている。サイクル早く見直している。ある地域が不調な時は別の地域で、車種も同じ。多角化の車輪が少しずつ回り始めた感はある。世の中の動きは想定以上に早い。国際情勢、日本の少子高齢化など、まだまだ改善努力が足らない。収益体質の強化と、何があっても俊敏に対応できるようにやっていきたい。