三菱自動車工業の第3四半期決算は増収増益
益子CEO、「監視と執行を明確に分ける」
三菱自動車工業の今年度第3四半期累計決算は、売上高1兆7941億円、前年同期比18.2%増、営業利益850億円、同31.7%増だった。営業利益率は前年同期の4.3%から今年度は4.7%となっている。
通期の見通しは売上高2兆4000億円、前年同期比9.5%増、営業利益1100億円、同12.0%増で変えていない。
期中の世界販売台数は、89.4万台、前年同期比1万1700台増だった。
「アライアンスの関係性を維持発展させたい」と益子CEOはアライアンスの意義を語った。
質疑応答。
Q 北米市場での営業利益がマイナス10億円となっているが?
A 為替の要因が大きい。通期ではなんとか利益を確保したい。
Q インドネシアについて。
A 現地生産と現地調達を増やしている。現調率を6割から7割強まで上げていこうとの取り組みを行っている。輸出を増やすことが大きな施策となっている。
Q 日欧EPA、TPP11が発効した。
A 輸入税が8年かけて下がる。いくつかのオプションがあるが歓迎すべきこと。即効いてくるのは部品。19年度は確実に効いてくる。生産体制の見直しは考えていない。最大限活用したい。TPPについては、さらに新しい国が入ってくれるよう、民間企業として働きかけたい。タイ政府ともやっている。
Q アライアンスの持株会社化について。
A 話を聞かされたことはない。2016年5月に日産との業務資本提携を発表した。短期間で合意できたのは基本原則への共感があった。ウインウイン、各社を尊重、最も強い地域を受け持つ。
多くのことを学んだ。改めてアライアンスの目的と狙い、必要性を確認していかねばならない。
アライアンスメンバーであることに誇りを持ち、働きがいについて実感を持てること。アライアンスのチカラを活用していくのは不可欠。CASEについてはアライアンスのチカラを結集。技術を相互補完することが大切。サポートしてもらうだけでなく、強みのある地域と得意な技術を持ってアライアンスに貢献したい。相談を受ければ、今の原則を踏まえ考えたい。
Q アライアンス会議でお互いに何を話したのか?
A 今日は毎月のビジネス課題について打ち合わせる。アライアンスに焦点を当てているわけではない。昨日までは、アライアンス活性化について、3人のCEOの会議で話した。新会長と電話で話した。アライアンスの必要性をお互いに確認して、協議を続けましょう。フェイス ツー フェイスは重要ですねと話した。
Q アライアンスの合議制になることでの影響は?
A ゴーン前会長がなんでも決めていたというのは正確でない。それぞれの担当役員がいる。人の問題については、いずれどこかで退任する。しっかりした会議体の中でやっていくのは自然なこと。
ルノー、日産、三菱が対等の立場でやっていく。RNBVについては日産、ルノーに聞いていただくしかない。
Q 2カ月間の益子CEOの心境は?
A 11月19日にニュースを最初に聞いた時は、現実感がなかった。「なんで?」と思った。報道の内容については、1月18日に社内調査の結果を発表したが、悲しい、寂しい、どうして? あまり論理的にではない思いだった。
三菱らしい経営にしようと取り組みを始めた時だった。今後は自分たちで作り上げていきたい。
Q スナール新会長との新CEOの役割分担はルノーが決めること。外へ出てきた段階で考えれば良い。会合は必要に応じてやればいいと思います。
Q スナールさんの印象は?
A 大変穏やかな方。機会があれば来日に期待したい。
Q 生産投資について。
A 予定通りきている。全体としての設備投資は選別をしてサスティナブルできるようコントロールしながらやっていきたい。景気見通しは悪化している。多くの国で選挙がある。結果によってはなんらかのほころびが出てくる要素はたくさんある。居心地のいい環境は終わった。現実を直視することが重要。立ち止まって周囲を見ることができなくなっている。規模の拡大のみを追うと、いずれ過剰投資により行き詰まる。あくまでも身の丈に合った経営にしたい。V字回復だが、収益を確実に上げていくことが重要。謙虚で慎重でいたい。原点に立ち返ってできるだけ無駄遣いをなくす。無理はしない。成長神話にとりつかれないようにしたい。
Q ガバナンス体制強化について。
A 思い切って申し上げると、理解をいただくのはこれから。あくまでも個人的な考えだが、指名報酬委員会を設置し、協議を続けた。取締役会の監視を強化することは待った無し。監視と執行を明確に分けた形を考えたい。具体的にも決まったらお話ししたい。
Q 春闘について。
A 今年に限ってはイメージがない。要求も聞いていないが、計画通りに事業が推移している中では出きるだけのことはしたいと考える。環境は厳しいが。