スバルの2018年度・第2四半期決算は売上高1兆4868億円(前年同期比7.5%減)、営業利益550億円(同74.1%減)、経常利益600億円(同71.8%減)、当期純利益443億円(47.9%減)となった。
営業利益が4分の1に減った最大の要因はリコールに伴う費用の増加で、一例として11月1日に届け出たエンジンバルブスプリングの交換に約550億円を要する見通しだ。市場からのクレームが発端となって発覚したが、2012年ごろから発生していたにもかかわらずリコールが遅れたのは「仮説を立てては再現を繰り返し、原因究明に時間がかかった。対策が確立していない中、リコールを届け出ることはできなかった」と品質保証本部長の大崎篤さんは釈明する。作業に要する時間は1台あたり12〜13時間で、改修作業は1年をメドに終わらせる意向だ。また、リコールが続いていることについては「設計、製造、サプライヤーの3点に起因。スバルとして力が足りていない」と振り返った。
完成検査不正について、「いつまで行われていたか」という終期が専門調査チームによる報告書記載の内容と国交相が立ち入り検査で行なったヒアリングに不整合が発生したことを受け、今年1月9日から10月26日に生産した約10万台(トヨタ86を含む)を追加リコール。結果、累計リコール台数は53万台に及ぶ。今回分の届け出は11月8日の予定で、約65億円の費用を見込んでいるという。中村知美社長はリコールを含めて問題が続いていることに関しては「いろんな要因があるが、急成長に伴う歪みが出た。社内に気の緩みがあったのではないか」としたうえで、「完成検査不正の問題は今回で最後にする」との決意を表明した。
今年度の通期業績は売上高3兆2100億円、営業利益2200億円、経常利益2290億円、当期純利益1670億円とし、前回発表時(8月6日)より売上高400億円、営業利益800億円、経常利益760億円、当期純利益530億円の下方修正を行なった。