マクラーレン・オートモーティブ・アジア(日本支社)は7月30日(月)、英国グッドウッド・フェスティバルにて世界初公開したマクラーレン600LTをアジアパシフィックにて初披露した。
600LTは、“ロングテール(LT)”の名を冠したモデルとしては4番目となるモデルである。LTの原点となったのは1995年のル・マン24時間レースで関谷正徳が日本人ドライバーとしては初めて総合優勝を果たしたマクラーレンF1・GTRロングテールであり、公道走行可能なマクラーレンのなかでも最もサーキット指向の強いモデルの代名詞である。ちなみに現在のマクラーレンはスポーツ、スーパー、アルティメットの3つにカテゴライズされており、今回の600LTは570Sなどと同じスポーツシリーズに当たるモデルだ。
600LTを“ロングテール”たらしめるために注力したことは、最大限までの軽量化、パワーの増大、エアロダイナミクスの最適化、サーキットにフォーカスしたダイナミクス、マシンとの一体感、そして少数限定生産という6つの柱を実現することだったと、登壇したアレックス・ロング氏(マクラーレン・オートモーティブ・グローバル・ヘッド・オブ・プロダクト)は語った。
600LTは、カーボンファイバー製モノコックボディなど軽量素材の積極的な採用によってマクラーレン570Sクーペから1/4の部品を一新して96㎏の軽量化を実現したことにより、乾燥重量はこれまでで最も軽い1247㎏となった。3.8リッターV8ツインターボは最高出力600ps、最大トルク620Nmを発揮し、0-100㎞/h加速は2.9秒、0-200㎞/h加速はわずか8.2秒となっている。サスペンションは一新した鍛造アルミ製ダブルウィッシュボーンの採用で最低地上高はさらに8㎜ダウンしており、エアロダイナミクスと合わせて250㎞/h時のダウンフォースは100㎏増大している。エクステリアは、74㎜延長した独特の長いボディシルエットや拡張されたフロントスプリッター、延長されたリアディフューザー、固定式リアウイングなど、ロングテールの流れをくむ物理的な特徴をすべて兼ね備えており、なかでもトップエグジットタイプの排気口は600LTならではのユニークなデザイン的特徴となっている。
先代の675LTと同様に、600LTは英国サリー州ウォーキングのマクラーレンプロダクションセンターにて1台1台手作業にて製造される。生産台数は厳密に制限され、今年10月より12カ月のみの生産予定となっている。
■McLaren 600LT Coupe
全長×全幅×全高:4604×2095×1194㎜、ホイールベース:2670㎜、エンジン:3.8リッターv8ツインターボ(縦置きミッドエンジン)、総排気量:3799㏄、最高出力:600ps/7500rpm、最大トルク:620Nm/5500-6500rpm、トランスミッション:7速SSG、駆動方式:RWD、シャシー:カーボンファイバー製MonoCell Ⅱモノコック、サスペンション:アルミ製ダブルウィッシュボーン&独立アダプティブダンパー、ブレーキ:カーボンセラミック製ディスク&アルミ製ブレーキキャリパー、ホイール:フロント19インチ・リア20インチ、タイヤ:ピレリP-ZERO
マクラーレン公式サイト http://jp.cars.mclaren.com