スバルは本日午後、都内で吉永社長が代表取締役会長CEOに退き、後任に現スバルオブアメリカCEOのの中村知美氏をあてる人事を発表した。6月の株主総会を経て正式就任する。以下は両氏の挨拶と質疑応答の要約。記者もアイサイトに関連したエンジニア大量離脱について質問した。
吉永社長。
完成検査不正事案の調査は最終段階。抜き打ちの検査でデータの書き換えが行われていた。検査基準値内。根っこは大反省しなければならないが、当社の企業風土の問題。最終報告を別途行いたい。真に正しい会社として活動を行なっていく。
中村次期社長。
当社を飛躍的に伸ばした吉永社長の後を引き継ぐ、身の引き締まる思いでいっぱい。軸をブラさずに前を向いて職責を果たしていきたい。直近の社内の情報把握に多少のリハビリ期間が必要。外からスバルの会社を見てきた。
経験をいかして、経営の舵取りを行なっていきたい。次期中計の策定準備を進めている。然るべきタイミングで発表したい。スバルブランドをしっかり継続して着実な歩みを進めていきたい。
質疑応答。
吉永 2012年にサンバーの最後の式典は思い出に残っている。
中村 どういう会社にしたいか、しっかり考えていきたい。地に足のついた着実な成長を目指していきたい。
吉永 経営トップ4名は昨年の9月から、それぞれの人が引こうと思うと話に来てくれた。完成検査不正が発覚する前から。9月末に決心した。自分としては「中村さんがいいと思う」と話した。他の方も同じだった。年末の稼働日最終日に本人に話した。
中村 びっくりした。「なんで私が」の思い。方向性に対してすごく驚いた。
中村 いま、スバルオブアメリカの会長兼務CEO。トムドール氏をCEOに昇格させる。
吉永 代表取締役とCEOに残ったのは、逃げるのではない。ぶん投げて逃げるのは絶対にありません。キチンと新しい会社を作るためにも責任を取る形で行くべきだろう。ツートップの気は全くない。
保護貿易主義的な動きには注目しています。
吉永 結果として販売台数は伸びているが、お客様が共感してくれる。共感してくれている部分がたくさんある。結果として企業が伸びたのは嬉しい。基本の考え方は一致している。お客様の視点を大切にしてくれると思っている。ステキな人物ですので、いっぱい取材してください。
中村 自分の下の成長をどれだけ促せるかをいつも考えている。それが会社のチカラにつながっていく。
吉永 中村さんは4年間アメリカにいた。もともとは3年と思っていた。まだ楽はできないのでもう少しいると言われた。
吉永 量を優先したわけではないが、会社の資源を整備する前に大きくなってしまった。現場にシワ寄せが行ってしまった。実力がついてきていない。もう少し時間がかかる。
中村 CASEへの対応をまとめていきたい。社内で議論を進めていく。シェアリングもオートノマスはアメリカより日本が進んでいる。コネクテッドはアメリカが進んでいる。中計の中でしっかりと答を出していきたい。
吉永 温度差は大事。主戦場がどこかで戦略は変わる。中村さんの温度が大事。トヨタとの関係は絶対に大事。トヨタとの関係は大事にしたい。今まで以上に1社でやるのは困難。深化の局面に入っていく。
中村 次のアライアンスをどうするかを模索し始めた時期。とかくウチにとって都合の良いことを考えがち。意義、価値、成果をしっかり見ていい関係を維持したい。
中村 楽しいかったのは販売の現場に接すること。販社の経営支援をすること。やりがいもあり、イキイキと仕事ができた。リテーラーともこれからを議論している。
妻と息子と娘と犬。単身赴任だったので、これからは犬と一緒にいられてうれしい。広報からはあまり言わない方が良いと言われたが、趣味は競馬です。