自賠責保険積立金完全返還へのまだまだ遠い道のり

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先の財務・国交両大臣の折衝により、平成15年度に569億円が繰り戻されて以来、繰り戻しが途絶えていた自賠責保険の運用益積立金について、平成30年度に23.2億円の繰り戻し(返還)が実現することになった。正式には来年度予算が成立してからだが。

さて、それでも今年度末で6114億円にのぼる未返済金からみれば、利子ほどの金額でしかない。報道によれば、先に麻生財務大臣は「全額繰り戻す」趣旨の発言を国会で行ったと言われるが、本日、財務省の事務方に改めて真意を確認した。

「(積立金は)お借りしているもの。反古にするつもりは無い」(国土交通第二・三係)と、返す意識はあるようだ。継続的な被害者救済のために、この積立金が枯渇するようなことがあってはならないことは、財務省も意識を共有しているが、では、いつまでに返すのかとなると歯切れが悪い。「いつかはお返しするが、財政状況も厳しい」と言質をとられることを警戒する。次の見極めは4年後の平成34年度だ。それまでに各年いくら返還されるのか。その後の返還の道筋はどうなるのか。自動運転の普及を睨んで強制保険としての自賠責保険のあり方そのものが問われているいま、保険加入者は繰り戻しが完全に為されるよう国の動きから目を離してはならない。

取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)

さて、20171120100918-0001 20171120100918-0001

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