川崎博也社長が資料を読む。
安全検証について、ユーザーと一緒に検証を進めている。万一、製品の安全性に疑いがある場合は迅速に対応する。
川崎博也会長兼社長の冒頭説明。
昨日、鉄粉以外には不適切な事象はないと言ったが、今後の徹底的な原因分析をする上で過去の案件についても報告した。
東京電力 福島第二原発の配管について、当該配管は未使用。製品の安全性について、検査仕様書により仕様は適合しているが、一部不備があった。
ユーザー、多くの消費者にご迷惑ご心配をおかけしておりますこと、改めてお詫び申し上げます。
質疑応答。
Q偽装した関係者は?
A現在、ヒヤリングを行なっている。品質保証部の人間に加えて品質保証に関わらない製造者も含まれている。
Q検査項目の未実施とは?
A中で色々なものがある。データを入れたねつ造がある。件数や中身は詳細を調査中。
Q騙したのではないか?
Aデータのねつ造になります。
Q不正案件はまだまだ増えるのか?
A経産省製造局長から早期に調査を完了するよう指示があった。今回、多くの不正が確認された。その中で発覚したのが追加の案件。鉄鋼、機械、電力もあるが、アルミ事業部門の調査が先行している。過去一年にわたって調査している。早期を意識しながら調査を行なっている。
Q費用負担の準備は?
A各ユーザーのコスト負担の腹づもりはできている。
Q自動車軽量化の中で鉄とアルミの戦略は?
A追加4事案について申し上げた。なぜこういうことが出て来たのか原因分析したい。自動車の超ハイテン、特殊鋼、アルミについては現段階では方向性に差異はない。
Q3回トータルで出荷先は何社あるのか?
A国内213社から、新たに270社程度。トータルで500社程度。
Q辞任について。
A品質調査委員会のトップであることがスピード感を持ってやるには必要。さらなる公平性を問われた場合は、新たな委員会を設ける。
Q製品全体のどれくらいの割合なのか? なぜこんなことが起きたのか?
A徹底した原因分析を行なっている。売り上げペースで4%程度。これからの調査で変動する可能性はある。
Q過去分については隠していたのか?
Aコンプライアンス委員会で報告されていた案件だった。法令違反などの判断により公表していなかった。一連の不適切な行為を考えるとき、現在進行形だけで判断するのは不足。本質的なもの原因を分析するには避けて通れない。
Q鉄鋼の4案件について。昨日は鉄鋼にはないと言ったはず。
A連続性の中で鉄鋼事業については、鉄粉事業以外にはないと申し上げた。連続性はないが、公表することにした。
Q10年前から不正をやっていて連続性がないとはどういうことか?
A昨日、ないと言ったのは4月からの緊急監査、自主点検の中では見つかっていないと申し上げた。
Q調査後の進退について
A現在の使命は調査に全力を傾注する。その後、進退の議論についた考えたい。いまは原因と対策、検証が最優先。全力を傾注したい。
Q鉄の4件について。なぜこのタイミングで公表したのか?
A❼ついては人の異動により発覚した。事案としては当該会社の管理ミス。管理ミスが分かった時点で改善を図らなかったことで、コンプライアンス委員会に報告した。❻は調査中だが、管理ミス。試験機が壊れても出荷を続けた。お客様との間で問題を解決した。
Q企業風土や背景について。
Aアルミ銅事業部や海外4拠点同時に起きたのはなぜなのか?ものづくり推進部は機能した。ものづくり推進部に監査機能を持たせたのは昨年から。11月に品質統括室を作った、品質は基本的に事業部門にあった。
Q出荷先500社の中に海外自動車メーカーはあるのか?
A具体的なユーザー名の公表は差し控える。要求されたデータを素材メーカーとして先方に伝えている。
Q企業として存続できるのかの認識は?
A現状だけの認識だけで言うと、総売上の4%だが、残りは生データとミルシートが合致している案件だが、ダブルチェックなどトップレベルの確認を行なっている。現状は条件付き。一カ月以内で行う調査の精度にかかっている。供給が足元でとまっているのはアルミ銅。今後はユーザーの意向により分からない。
Q❾について。昨年発表した事案とは異なるのか?初めて説明するものか?
A昨年はJIS法違反の分のみ。お客様の意向で今回の分は公表しなかった。
Qすでに川崎社長が事態を知ってから一カ月半経過している。
Aアルミ銅事業部の4拠点同時に発覚するのはなぜなのか?鋭意まとめていきたい。従来のやり方では精査できない。どこまでやるべきか考えている。
一カ月以内にまとめろのご指示なので、その責任を全うする。
Q納期のノルマがあったのか?
A4拠点同時というのは、損益プレッシャーがあった。上からはそんな指示はしていないが。
Q長期的な信頼を失った。時価総額が半減した。
Aとにかく足元の原因分析と精度を高めたい。
Q「安全性に問題がない」とは?
A以前の案件について、問題が解決したユーザーが判断したこと。ユーザーからそういう話をうかがった。その他の案件については調査中。改ざんする前のデータをお客様に提供して、お客様に確認してもらう。また、両者で確認をする。
Q一般消費者に関わる話だが?一般消費者の不安解消は?
A最終消費者の安全はとても重要。評価は素材メーカーだけではできない。製品メーカーの公表は取引条件などにより公表できない。理解してほしい。
Q一連の不正はグループ各社広範に及んでいる。病巣はなんなのか?
A グループの事業のうち、ビジネスは鉄鋼事業、アルミ銅事業はB to B。こちらで不正が起こっている。半製品を供給している。ショベルやコンプレッサーなど機械系事業は B toCで完成品メーカーに供給している。こちらでは不正は起こっていない。大きな違いがある。
Q 神戸製鋼所は過去にも不正が行われている。
Aご指摘の通り、風土的なものも感じると思うが、徹底的な原因分析にかかっている。理解できないかもしれないが。
Qものづくりの良心があるのか、資格はあるのか?
A神戸製鋼所全体がそうだとは思っていない。我々の数値が安全に直結する意識はあると思う。原因はなんだったのかに尽きると思う。