5月6日(土)、FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDが接戦を制し、1-2フィニッシュを飾った。
レース序盤はポールポジションのライバル車がリード、セバスチャン・ブエミの#8号車とマイク・コンウェイの#7号車がそれに続き、プレッシャーをかけ続けた。そして早くも10周目、#7号車がライバルを抜いて首位に立ち、その3周後には#8号車も2位に上がった。
序盤のトップグループの戦いは熾烈を極めたが、レースが半分を消化した午後5時半、小林可夢偉の駆る#7号車が2位以下に大きく差をつけて首位を快走。28秒遅れてアンソニー・デビッドソンの#8号車、さらに22秒遅れてライバルの#1号車が続いた。#7号車は公式練習から好調にセッティングが決まり、ホセ・マリア・ロペスが抜けた2人のドライバーでの戦いとなったものの、小林もコンウェイも疲労の色も見せず快調にトップをひた走った。
しかし、レースはその後に他車のクラッシュから提示された2度のフルコース・イエローで劇的な変化を見せた。その影響を受けたのは#7号車だった。#7号車はイエローコーションが出る前に2度ともピットストップを済ませており、イエローコーションが出てからピットインをした#8号車を初めとするライバル達に対し1分にも達する大きなタイムロスを被ることとなってしまった。
その結果、レース終盤になって#8号車がトップを独走することになり、#7号車は後方でライバルと激しい2位争いを展開。しかし、その後小林の駆る#7号車は競り合いを制して2位に上がり、#8号車を猛追した。そして、最終ラップ、#7号車は、1秒9差まで#8号車を追い詰めた。
#8号車にとれば幸運の、#7号車にとれば不運のフルコース・イエローであった。しかし、TOYOTA GAZOO Racingとしては2014年のWEC上海戦以来の1、2位獲得。2012年にWECに参戦し始めて以来13度目の勝利となった。#9号車の国本は、周回遅れをかわすのに苦労したが、サラザンとラピエールから多くを学びながら目標の完走を果たし、5位に駆け込んだ。
次戦、6月17日(土)~18日(日)に開催されるWEC第3戦ル・マン24時間レースは、TOYOTA GAZOO Racingにとって様々な思いが募る伝統のレース。6月4日(日)の公式テストデーを経て、優勝を目指したル・マン24時間レースに挑む。
果たして悲願のル・マン24時間優勝となるか、いまからレースが楽しみだ。