このトラブルについて、ホンダは対象車に対してリンクのようにシリンダー内のクリーニングを行うとし、保証期間を登録後9年に延長するとともに、「洗浄後に再度事象が発生した場合のみ」部品交換をすると発表した。今年1月20日のことだ。
これについて整備現場からは、「本来なら全量部品交換すべき」「平成31年以降、事情を知らずに中古車を購入したお客は、トラブルに見舞われても救済されないのではないか」と言った疑問の声が上がっている。本件、ホンダ広報部にコメントを求めている最中だ。
先ほど国交省審査リコール課に確認した。ステップワゴンは同様の不具合で部品交換しているが、と聞くと「差異については承知している。ホンダからある特定の条件でのみ発生すると聞いているが、事実について監視している」(リコール監理室)と話す。記者はリコールを促すべきと話しておいた。
当該のフィットユーザーは早急にディーラーに入庫し、エンジンの状態を確認して欲しいと考えたため、7月号を待たず、記事掲載に踏み切った。文中にあるように同様の事象は旧型ステップワゴンでも起きており、こちらはパーツ交換に応じている。
なお、マツダCX-5のディーゼル車についても、今年2月に同様の不具合についてのリコールが発表されている。マツダ広報は「エンジンが冷えた状態でチョイ乗りを続けるとススが溜まりやすい。エンジンが暖まってから乗ればススは燃えて堆積しないのだが。お客様のシチュエーションに合わせてエンジンも選択してもらわないといけないのに、ディーゼルエンジンが人気となってしまい、周知が不足した」と釈明した。
トヨタもエスティマなど2AZエンジン搭載車について、エンジンオイルのカスが溜まりやすいとして、部品交換と保証期間を9年に延長することを、平成26年11月に発表している。
自動車メーカーは、駆動系のトラブルについては、早めにリコールをかけるべきではないか。7月号ではより詳しい内容を記事掲載するつもりだ。
http://www.honda.co.jp/recall/auto/other/170120.html
http://www.honda.co.jp/recall/auto/other/130725.html
http://www2.mazda.co.jp/service/recall/705/708/709/717/716/704/105/103/004680.html
https://toyota.jp/recall/kaisyu/141126.html
マガジンX編集長 神領 貢