自動車総連の相原会長が春闘を中間総括。 賃金引き上げの重要性が強くビルトインされた!

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本日、自動車総連は2017春闘についての中間総括とも言うべき現状認識について、記者ラウンドテーブルを開催した。以下はその要約。

概ね半分の単組に回答があった。
継続と転換を求めてきた自動車総連の目標に沿って、回答と引き出しがあった。中堅中小組合が伸び伸びと回答を引き出している。
2017年はこだわりを持って進めてきた。為替の動向、市場の先行き不透明がある中、昨年を意識した闘争の結果、回答を引き出した。
中堅中小企業は鋭意、賃金獲得の引き出しを行っている。賃金引き上げの面積を広げる点で、中堅中小組合の頑張りがあった。新しい力を得ながらやっていきたい。

本年は働き方が大きなテーマとなった。働き方そのものが経済政策の中核をなす。これまでの常識を変えていく点で、やりがいとモチベーションを高めていくための国民的合意を得ていく流れになった。

コスト吸収に喘ぐ中堅中小企業だったが、彼らの頑張り無くして前に進めない。バリューチェーンという言葉が全体に染み渡る結果となった。

非正規労働者を春闘の対象とし、なんとか成果を出せるところまで持ってこれた。まだ半数が回答途上。残り半数の結果によっては評価が変わる。より実りのある交渉を進めたい。

冨田副事務局長の説明。
1101単組中527単組が解決。440単組でベア獲得。平均額は1195円。全般に昨年を上回っている。499人未満の単組で大きく賃金改善が進んでいる。
拡大戦術会議組合並み、もしくは上回った単組も増えた。構造転換のひとつの形が出ている。
非正規労働者については、賃金、一時金などの進捗が進んでいる。
年間一時金について。
昨年に比べても進みが早い。金額はほぼ同等。
36協定の締結状況について。
121単組のうち、720時間以下は39単組。うち8単組は720時間をさらに下回る。残り82単組は、来年に向けて720時間、またはそれ以下に向けて協議を続ける。

質疑応答は主に相原会長が答えています。

質問 規模別300人未満が、3000人以上のベアを上回っている。販売が伸びている。
相原 販売については、長期的にみて市場規模が減衰している。働く人に対する期待値を精いっぱい示している。販売業界はこれまでやや劣位に置かれてきた。安定的継続的な賃金引き上げが迫られている。300人未満が3000人以上を上回ったのは2014年以降で初めて。

質問 経済環境の背景については?
相原 国内市場が減衰する中で、台あたり収益をいかに伸ばしていくかについて、一定程度成果が出ている実感がある。
値引きに次ぐ値引きにより自らの付加価値を下げていくような方向に戻ってはいけない。どれを取っても底上げしていく。これをビルトインされたことが最大の成果。四年連続ベア獲得よりも賃金引き上げが経済にとって重要であることがビルトインされたことが最大の成果。フットプリントを残せたことが最大の成果。

自動車総連に参加する12労連の充実強化を図ってきた。1100を超える組合のうち、一番小さい組合は3人、4人のところもある。労組の規模を問わず、経営者に真正面からぶつかることができた。今後とも継続的に続けていきたい。
個別賃金ポイントの要求については、3割くらいしか要求できなかったが、今年は半数程度が要求した。中堅中小企業の賃金交渉の技術面も上がってきた。経営サイドの問題意識を組合として評価している。春闘のコンテンツが多様になっている。賃金引き上げだけを持って春闘とは言えないが、従業員の健康を守る、そのひとつの重要なものが賃金改善。

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