三菱がデリカD:5のマイナーチェンジ版を発表した(発売は26年1月9日)。税込み価格は451.0万〜494万4500円。
デリカの5代目として07年に発売された現行モデルは、これまでに累計30万台が売れたという。

ジャパンモビリティショーで先行披露されたように、今回の手直しでは前後バンパーが変更されて立体感に磨きがかかり、リアではDELICAの車名ロゴをガーニッシュ内に移設。また、力強さと高い走破性を感じさせるホイールアーチモールが追加され、18インチアルミホイールの形状も見直された。




スライドドアの内張トリムはホイールアーチモールに干渉しないよう、設計し直された。
イメージカラーにはアウトランダーに採用済みのムーンストーングレーMが流用されている。
ミニバンとは思えない高い悪路走破性は以前から備わっている要素だが、今回のマイナーチェンジではS-AWCが新搭載されてドライブモードが「エコ」「ノーマル」「グラベル」「スノー」の4段階に切り替え可能になった。下り坂で車速が一定に保たれる待望のヒルディセント・コントロールも新採用。

インテリアではメーターパネルが8インチ液晶タイプにリニューアルされて先進感を演出。シフトレバーなどが配されるセンタークラスターはピアノブラックからキズの目立ちにくいダークグレーに変更された。このほか、カーキ色のステッチが用いられ、最上級のPグレードにはスウェード調&合皮コンビシートを新採用。USBポート(タイプC)がセンターコンソールとフロアコンソールに追加されたのも見逃せない。

プリクラッシュ・セーフティは車両と人物に加えて自転車も検知対象になり、誤発進抑制機能は後退時にも対応。前後バンパーに設置されたソナーが障害物との距離をメーター内表示と音で知らせてくれるパーキングセンサーも備わっている。
都内で報道陣の取材に応えた同社の加藤隆雄 社長は「デリカは他社にはないカテゴリー。会社の調子が悪い時もデリカだけは売れた」「今後も特徴のあるクルマで勝負していくしかない」として、三菱を代表する商品であることを語った。
参考までに、10月30日から始めた予約受付で、すでに5000台の注文が入っているという。
現行モデルは前述した高い走破性に加えてディーゼル車のみの展開も特徴に挙げられる。加藤社長は「ディーゼル車の選択肢は減っているが、ディーゼル車を望むユーザーは多い。独特の音と振動、軽油の安さがポイント」と魅力を語り、充電インフラが課題のBEVと違ってエンジン車はガソリンスタンドに行けば即座に給油できる利便性と安心感を備えていて「まだまだ役に立てる」とアピールした。
23年のジャパンモビリティショーには次期デリカの存在を暗示するD:Xコンセプトが出展された。加藤社長によると「プラグインHEVが欲しいとの声は多い」としながらも、「デリカ・ファンに聞くと、ほぼ100%『いまのままでいい』との答えが返ってくる。フルモデルチェンジしたほうがいいのか、もし必要だとしたらタイミングを見極めたい」とコメントした。
なお、25年度上半期は海外でもモデル切り替えの時期が重なって三菱の販売実績は振るわなかったが、加藤社長は「デリカ親子(デリカD:5&デリカミニ)とデスティネーターで底上げしたい」と意気込みを語った。そのデスティネーターはインドネシアで1万4000台、ベトナムでも半月で3700台の受注を獲得している。
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_d5/index.html











