記者は今年、日本自動車車体整備協同組合連合会(日車協連)組合員のうち、若手経営者が集う青年部会のサポーターのひとりにご指名いただいた。本誌が車体整備業の皆さんの地位向上に一生懸命取り組んでいることを評価されたと受け止めている。
おかげさまで8月下旬には石川県で、また本誌発売直後の10月29日には埼玉県でそれぞれ現下の車体整備事業者を取り巻く話題や取り組むべき課題について、組合員の皆様の前でお話しさせていただく機会を得た。来年に向けても複数の組合から問い合わせをいただいている。
とりわけ損保との協定において●しっかり利益を出せる●設備投資できる●従業員の待遇改善を図ることができる時間当たり工賃の算出と損保との交渉力強化は待ったなしだ。組合員をはじめとした事業者の皆様の後押しができればいいなと考えている。
さて日車協連とは直接関係ないが、10月初旬に群馬県内の車体整備事業者の人たちと車座で話す機会があった。
- 東京海上火災保険(以下東海)と協定交渉すると事業者が示した半値以下の提案をアジャスターが平気でしてくる。「納得いかないなら裁判すればいい」と突き放し、程なく契約弁護士が登場する。
- 自研センター自身が「マストではない」と公式サイトで主張してるにもかかわらず、同センターの社長を長らく輩出している東海が同センターの指数、コグニビジョンの見積もりソフト以外では「協定しない」と頑なに主張する。
- 協定不調の場合、自分たちは保険加入者の等級を下げて保険を更新するのに、修理事業者に対しては支払い保留のまま放置する。
酷いものだ。こうした事柄を東海本社の広報部に問い合わせても「そんなことはしていない」と否定するばかりだ。10月号で東海社員による「暴力事件」を掲載した。その後について被害者の工場主と話したら、「担当者は暴力を謝罪するどころか、ますます態度が横柄になった」というではないか。「日本一の損保」を自認する東海がこんなことでは損保業界の出直しを期待するのは難しいのではないか。
記者は群馬県でお会いした事業者のうち、あまりに東海の対応がひどい2社について現地取材をすることにした。近刊でご披露したい。東海が自分たちの態度を悔い改めるまで、マガジンXは粘り強く同社の問題をあからさまにしていくつもりだ。
取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)

