ルノー・日産アライアンスとダイムラー、 2016年に協力関係を深化

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ルノー・日産アライアンスとダイムラーAGの両CEOは、パリ国際モーターショーに合わせて行われた今年の記者会見で、戦略的協力関係の開始から7年目を迎えた今年、両社間のパートナーシップが発展していることを発表した。

 

ルノー・日産アライアンスのCEO兼会長のカルロス ゴーンは、「両社のパートナーシップは成長、発展しました。これは長年に亘る強固な協力と信頼の精神によるものであり、多くの利益を両社にもたらしてきました。開発や生産コストを共有することで、新たなセグメントへの参入を可能にし、お客さまに先進技術や機能を搭載したより魅力的な商品を手頃な価格で提供することが出来るようになりました」と述べた。

 

ダイムラー取締役会長兼メルセデス・ベンツ・カーズ会長のディーター ツェッチェは、「この7年間、私たちは、部品からプラットフォーム、共同開発から共同生産、乗用車から商用車まで幅広くパートナーシップを築いてきました。これらは、大陸をまたぎ専門知識や能力を共有する多様なメンバーからなるプロジェクトチームによって行われてきました。最高のアイデアは、パリ、シュトゥットガルト、横浜のそれぞれから生まれ、プロジェクトを推進しています。両社の協業は、今後も大きな可能性を秘めています」と付け加えた。

 

昨年度の主なプロジェクトは以下の通り。

  • 新型「スマート フォーツー」、「スマート カブリオ」、「スマート フォーフォー」のEVモデル登場:新型「スマート」シリーズとルノー「トゥインゴ」はダイムラーとアライアンスの共同プラットフォームをもとに開発した初のモデル。 2014年に発売した2人乗りの「スマート フォーツー」はフランスにあるダイムラーのハンバッハ工場で、4人乗りの「スマート フォーフォー」と「トゥインゴ」はスロバキアにあるルノーのノボメスト工場で生産されている。今回のパリモーターショーで、「スマート フォーツー」、「スマート カブリオ」、「スマート フォーフォー」のEVモデルを初公開した。

 

  • 初の共同生産工場COMPAS(コンパス)の建設:2015年に、日産とダイムラーは10億ドルを投資しメキシコ・アグアスカリエンテス新工場の建設に着工した。新工場では、2017年よりインフィニティ向け次世代プレミアムコンパクトカーを、2018年にはメルセデス・ベンツ向け車両の生産を予定している。次世代プレミアムコンパクトカーは、欧州や中国にあるダイムラーと日産の工場でも生産される予定。

 

  • 協業を1トンピックアップトラックへ拡大:2015年、ダイムラーと日産は、メルセデス・ベンツ初となるピックアップトラックの共同開発を発表した。新型ピックアップトラックは、日産の新型「NP300」のアーキテクチャーの一部を共有するが、欧州、オーストラリア、南アフリカ、中南米のニーズに対応できるよう、設計およびデザインはダイムラーが行う。

 

  • 北米でのエンジン共同生産:両社が行っているエンジンの相互供給や共同開発および共同生産は、エンジンからトランスミッションまでカバーするパワートレインセグメントにおいて比類ない協業である。米国テネシー州にある日産のデカード工場は、エンジン共同生産の成功例。同工場は、2014年6月に日産車向け2リッター4気筒ガソリンエンジンを、同年10月にはダイムラー車向けエンジンの生産を開始した。以降、同工場では年間約25万基のエンジンを生産している。

 

2010年4月に、ダイムラーとルノー・日産アライアンスが協業を開始した当初は、主に欧州地域における3つのプロジェクトに限られていたが、現在は、欧州に加え、アジアや米州地域で、全ての領域(商品、エンジン、相互供給)へと拡大している。

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