ダイハツが電気商用バンのeハイゼット・カーゴ/eアトレーを発表&発売した。
税込み価格はeハイゼット・カーゴが2シーター/4シーターともに314万6000円、乗用車ライクなルックスと装備が備わるeアトレーは346万5000円。



バッテリー容量は36.6kWhで、一充電航続距離(カタログ値)は257kmをマークしている。後輪を駆動するモーターのスペックは64ps/12.9kg-mで、最大トルクはアトレー・ターボの9.3kg-mを上回っている。もちろん、電気自動車ならではの高い静粛性も確保。

クラス最大の荷室空間がエンジン車からそのまま継承されているのも魅力で、中京間の畳が載せられる。

屋外作業や家電利用、万一の災害時に電気を取り出せるAC100Vコンセント・1500Wは全車に標準装備されている。車外に給電する時にドアを閉めたままコードを通せるアタッチメントも備わっており、非使用時には3分割でコンパクトに収納できる。

報道発表会でスピーチを行った井上雅宏・社長は「国内商用車の60%が軽自動車で、これを電気自動車に置き換えていけばカーボンニュートラルに貢献できる」と投入の意義を語った。搭載されているシステムはトヨタおよびスズキとともに開発されたもので「個社単独でリスクを負うよりも投資を抑えられるメリットがある」(井上社長)と説明した。
月販目標台数は300台に設定されているが「この数値が控えめかどうか、売ってみないとわからない。増産できる体制も準備している」(井上社長)という。
営業CS本部長を務めている執行役員の福田昭夫さんは「まずは一社一社に広く(1台でも構わないので)使ってもらいたい」と地道に販売していく考えを示した。

今回リリースされたBEVはエンジン車と同じくダイハツ九州の大分工場で組み立てられる。しかもBEV専用設備を新たに導入することなく、投資を抑えてエンジン車と混流生産できる体制を構えた点が見逃せない。eアクスルなどの電動系コンポーネンツは生産ラインで組み付けられ、最後のバッテリー搭載だけは特装車を手がけるエリアに車両を移して行われる。関係者によると「バッテリー搭載前はエンジン車より軽いため、手押しで車両を(エリアへと)移動させる」とのことで、バッテリーの組み付けは1台あたり30分ほどで終わるという。これまで特装車を仕上げるためのドックは6つ用意されていたが、バッテリー搭載工程を担うにあたって8つに増やされた。
そのバッテリーのサプライヤーは公表されていないが、国産ではなく中国製のリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池が使われている。CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)の名に合わせて開発陣も本来は国産バッテリーを使いたかったようだが、一方でLFP電池は熱暴走の恐れが少なくて安全、かつ三元系リチウムイオン電池より安価との理由で選んだという。LFP電池の製造プロセスに関わる特許が中国企業に押さえられているため、同じように製造できないのがネックとなって海外からの調達という苦渋の決断に至ったことが取材を通して伝わってきた。
開発を取りまとめた齋藤 寛さんはミニキャブMiEVの登場が開発のキッカケのひとつになったと振り返る。エンジン車より重く、荷物を満載した時の総重量も増すことを受けてタイヤとホイールを専用品に差し替え、サスペンションも全面的に刷新したことをアピール。重心は約80mm下がっていてムーヴと同等だという。










