7月26日発売のマガジンX 9月号で大幅値上げされることをスクープしたエクストレイルのマイナーチェンジ版。その詳細が判明したので、お伝えする。
(当記事に掲載している写真はすべて北米仕様のローグです)
エクステリア
今回のマイナーチェンジで外観は北米で先行販売中のモデルと同じルックスにアップデートされる。具体的には前後バンパーが新形状にリニューアルされ、最上級のGグレードではバンパー下部とドア下部ガーニッシュがピアノブラック仕上げに変更されて質感の高さが演出される。
ラジエターグリルは横ルーバーが並ぶデザインに変わり、北米仕様に追加されたばかりのブラック仕様(メッキなし)に仕立てられてタフな印象がかもし出される。

ブラックグリルで精悍さが打ち出される。写真のボディカラーは海外専用で、国内仕様のエクストレイルには設定されない。

灯火類ではデイライトが追加されるほか、リアコンビランプはインナーレンズの刷新で立体感のある輝きを実現。併せてターンシグナルがLED化されるのも見逃せない。
アルミホイールは18インチ、19インチともに新デザインに変わる。なお、現在Gグレードには19インチが標準装備されているが、マイナーチェンジで18インチにダウンサイズされて19インチはオプション化される。
ボディカラーではブリリアントホワイトPがプリズムホワイトPに、カスピアンブルーMがディープオーシャンブルーPにそれぞれ差し替えられる。
インテリア
Gグレードには引き続き2色のナッパレザー内装がオプション設定される。ブラック内装は現行モデルから踏襲される一方で、タン色は落ち着きがあって万人受けするブラウン色に置き換わる。
XグレードとSグレードに採用されているファブリックシートは表皮の柄が変わる。
アラウンドビューモニターには自車の真下の様子が擬似的に描写される日産初のインビジブルフードビューと、自車の周囲が確認できる3Dビューを追加。
12.3インチ画面が継承されるコネクトナビにはGoogleの3機能(マップ、アシスタント、プレイ)が加わる。地図がGoogleマップに変わることで常に最新の道路事情を入手できる。
また、Googleプレイの搭載で慣れ親しんだアプリをダウンロードできるのも朗報だ。
併せてドアロックの施錠忘れなどをスマホに知らせてくれるアラート機能も追加される。
以上のようにカタログモデルの変更点は控えめだが、以下に紹介する特装モデルの充実は注目を集めるだろう。
NISMO
まず何よりNISMOの投入が見逃せない。オーラやアリアに設定済みののNISMO同様、旋回性能と出力特性に専用チューンが施されて熱い走りが楽しめるクルマに仕立てられる。
具体的にはダンパーやバネに専用品が採用され、ミシュラン製PILOT SPORT EV(255/45R20)と軽量20インチホイールを装備。これによってコーナーでの限界性能は10%高まり、アンダーステアは17%低減。
駆動系の専用チューンで加速力と後輪の駆動力が標準車より高まる点もセールスポイントに挙げられる。一周25秒のハンドリングコースではラップタイムが1秒以上も縮まったという(日産の社内計測値)。
ダンパーにはカヤバ製のスウィングバルブが日産初採用され、サスの動き出しで最適な減衰力を実現しつつ、突き上げの少ない滑らかな乗り心地も実現。
もちろん内外装にも専用パーツが装着されてオリジナリティが演出される。例えば前後バンパーとサイドシルにはガーニッシュが追加されて低く構えた印象を強調。リアバンパー中央にはフォグランプが備わる。
内装には赤カーボン調パネル、赤ステッチとセンターマーク入りのステアリングホイール、赤いブッシュ式スターターボタンが用いられる。さらに、オプションでレカロ製スポーツシートが選べる点も話題を呼びそうだ。
ロック・クリーク
北米で先行販売されているロック・クリークはこれまでのエクストリーマーXに代わるモデルとして国内にも投入され、SUVテイストの強さが訴求される。外観には専用ホイールやブラック仕上げのルーフレール、3つのシルバースロットが目を引くラジエターグリルに加え、赤のアクセントカラーが内外装の随所に配される。防水シートの採用も要チェック。
なお、ロック・クリークにはネーミング入りの専用スカッフプレート、ドアバイザー、ナンバープレートフレームがディーラーオプションで用意され、ドレスアップを楽しむこともできる。
AUTECH(オーテック)
専用グリルやメタル調ガーニッシュ、キルティングステッチ入り本革シートが特徴的なAUTECHは変わらず継続販売される。
こちらにはNISMOと同じ加速を体感できるスポーツSPECが追加される。やはりサスペンションと電動パワステに専用チューンが行われ、ミシュラン製PRIMACY 4(255/45R20)とパフォーマンスダンパーが与えられる。NISMOよりも落ち着いた乗り味がもたらされてキャラクターの違いが訴求される。
専用アクセサリーとしてロゴ入りキッキングプレート、ホイールとの一体感が強まるダーク仕上げのセンターキャップ、フロアカーペットと統一感のあるロゴ刺繍入りラゲッジカーペットが新たにラインナップされる。また、フロアカーペットやドアバイザーがセット化された用品パッケージはキーケースと車検証ケースの追加によって訴求力アップが図られる。
先ごろデビューしたキャラバンに続き、エクストレイルにもSOTOASOBIパッケージが用意される。その内容は、ボンネットフードをマットブラックに変えられるラッピングフィルム、凹凸塗装とダミーボルトがタフな印象をもたらすJAOS製フェンダーガーニッシュ、専用オーナメントで構成される。
日産が市場調査したところ、エクストレイルはハリアーおよびRAV4と比べて走行安定性、質感の高さ、運転する楽しさが高く評価されているという。一方でブランドイメージ、安全装備の充実度、室内の広さにおいてはトヨタ2車のほうがポジティブなイメージを持たれていて負けている。
今回のマイナーチェンジでは「タフ×上質」を前面に打ち出し、新旧エクストレイルやキックス、セレナ所有者を重点的に攻めて他社への流出を防ぐ。参考までに、先代エクストレイルは約13万9000台、現行エクストレイルは約8万7000台、キックスは約8万台、先代セレナは約27万台、現行セレナは約22万台が国内に現存している(日産調べ)。
なお、20万円前後の大幅値上げに踏み切る価格についてはマガジンX 9月号に掲載しているので、併せて誌面もチェックしてください。