2025年8月号『ざ・総括。』の記事【E2E自動運転】がnoteから購入できるようになりました

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マガジンX 2025年8月号(6月26日発売)に掲載された【E2E自動運転】の記事をnoteにて税込300円で購入できるようになりました。また月額600円の定期購読ですべての記事を購読することもできます。以下は無料公開の冒頭部分です。続きを読みたい方はその下のリンクからご購入ください。

【E2E自動運転】

モメンタvsチューリング E2Eは自動運転の将来を変えるか?

中国のモメンタという新興企業がE2E(エンド・トゥー・エンド)という新しい方式の自動運転ソフトウェアを開発している。現在はレベル2プラス相当のADAS(先進運転支援)機能としてトヨタ、メルセデスベンツ、上海汽車MGブランド、長城汽車が採用しており、運転制御精度のブラッシュアップを進めている。現在の主流であるルールベースAI(人工知能)は「自動運転には向いていない」という見方が広がりつつあり、E2E方式への期待が急激に高まった。日本でもチューリングというスタートアップが言語モデルを使うE2E方式を開発しており、すでに競争が始まっている。

E2Eは途中省略型

エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) 今年3月にトヨタは、中国で「bZ3X」というハッチバックスタイルのBEV(バッテリー電気自動車)を発売した。中間グレードが日本円で240万円という安さが日本でも話題になったが、同車はモメンタ(北京初速度科技)が開発したE2E方式の自動運転AIを搭載している。いまのところ機能はACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)やLKA(レーン・キープ・アシスト)といったADAS系に限られるが、いずれはレベル4の自動運転に対応できるとモメンタは言っている。今回は、このE2E方式の自動運転AIを取り上げる。ゲストは招いていないが、いつものメンバーの中に詳しい人がいるので任せることにした。

部品メーカーのエンジニア(以下=部) 今回は私がお役に立てると思います。企業情報については、本誌の元編集長M氏から資料をたくさん預かってきました。

チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) そもそもE2Eという方式はどんなものなのか。そこから説明してほしい。

自動車業界の事情通(以下=通) エンド・トゥー・エンドという表現の由来は、カメラやレーダーなどの車載センサーが片方のエンドで、どういう方向へどれくらいの速度でクルマを走らせるかという制御がもう片方のエンド。センサー情報を制御に直結させるという意味だね。

部 そのとおりです。車載センサーによる「認識」を、そのまま運転動作の出力、つまりAIが導いた「制御」に繋げる方法です。従来の自動運転は「認識」から「制御」までの間にはさらに2つのステージがあります。ひとつは車載センサーからのデータをもとに目の前の道路状況を「解釈」するステージです。自車位置を特定するためには高精度のデジタル地図は必須です。可能な場合はインフラ側が電波で送ってくる情報も使います。さまざまなデータを整理して、自車の周囲を走る車両、歩行者や自転車などのをデジタル地図の中に置きます。これが「解釈」ステージです。「現状認識」と言い換えてもいいと思います。

ベテラン実験ドライバー(以下=T) 現在、私のクルマはこういう状況の中にいるという現状確認作業だな。この「解釈」の段階でもAIは仕事をするわけ?

 はい。AIは自ら考えることはできないので、学習してきたデータの中から「いまの状況」に最も近い「画像」を探し出すという作業になります。そして、その次に「経路計画」というステージがあります。いまの状況で、交通法規を守りながら安全に走るための行動計画を立てます。ここでAIはフルに能力を発揮します。AIには「こういう状況ではこういう動作をする」というルールがたくさん教え込まれています。いまの状況に適したルールを学習データの中から探し出し、「これを行う」と決定します。ここがルールベースと言われる理由です。

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