2025年3月号『ざ・総括。』の記事【2025年自動車業界俯瞰】がnoteから購入できるようになりました

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【2025年自動車業界俯瞰】

今年は「いいクルマ」が出てくるだろうか?

2024年暮れの自動車業界は、ホンダと日産の経営統合に向けた動きでザワついた。今年の元日にBYDオートは2024年の世界販売台数が前年比41%増の427万台だと発表した。ホンダは1〜11月実績で343万台、日産は同305万台だから、最終の確定数字を待つまでもなくBYDはホンダや日産を抜いて世界第6位の販売台数を記録した。世界トップ10には吉利集団も入った。BEV(バッテリー電気自動車)の頓挫により、いままでに投資した開発資金の回収が遅れているという事情は、日欧米のほとんどすべてのOEM(自動車メーカー)に共通している。自動車という商品はこれからどうなるだろうか。

EUの2025年新規制

エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) 読者の皆さん、本年もよろしくお願いします。業界が慌ただしい中での年明けゆえ、すでにいくつかの発表があった。マツダは中国の長安汽車と共同開発したBEV「マツダ6e」を欧州に輸出する。EU(欧州連合)は中国製BEVへの追加関税を課すが、それでも93.6グラム/㎞という2025年の新たなCO2排出規制の未達成で罰金を払うよりもマシだと判断した。ホンダはソニーとのBEV事業であるアフィーラ第1号モデルの市販価格を明らかにした。なかでも我われの最大の興味は、どことどこのOEMがくっつくとかではなく、「これからクルマはどうなるか」だ。買いやすい値段で、走らせて楽しく、維持費もそこそこに収まる。そういうクルマの選択肢がカテゴリーごとに3〜4車種あれば文句は言わない。しかし、そういう状態からはどんどん遠ざかっているように思われる。そこで、商品を軸に2025年以降の動向を予測してみたい。ゲストに技術調査のベテラン氏をお呼びした。皆さんにはお馴染みの方だ。

技術調査のベテラン(以下=F) はい、今回もよろしくお願いします。先ほどのマツダ6eは、EUの自動車排出CO2目標が昨年までの95グラム/㎞、正確には94.9グラム/㎞から2025年1月1日に93.6グラム/㎞になったことへの対応です。これは2021年比で15%削減という従来からの既定路線です。一方、ACEA(欧州自動車工業会)は昨年末にEU委員会に対するパンチを繰り出しました。いろいろ回りくどい表現もありますが、要約すれば「発展可能な産業政策にしろ」「CN(カーボン・ニュートラリティ)への道は市場原理を優先しろ」「企業負担を軽減しろ」です。すでにEUのBEV普及策は破綻しています。仕切り直さないと、このままカオス状態になる可能性があるということです。

部品メーカーのエンジニア(以下=部) 昨年12月にEU議会最大会派であるEPP(欧州人民党グループ)が「技術中立の原則に立ち返るべきだ」と提言しました。CNへの道はBEVだけではないという、いわば日本がずっと主張してきたことへの賛同です。

チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) しかし、日本のメディアはあまり報じなかった。本気で「BEVは環境にやさしい」と思っているのだろうか? 火力発電65%の日本で。結局、政治では市場を動かせないことをEUの失敗が証明したわけだが、日本のメディアはまだほとんどが「BEV推し」のままだ。

自動車業界の事情通(以下=通) いま20歳代後半の人は、小〜中学校時代に浅薄な知識の先生たちから誤った「環境観」を植え付けられた。ステレオタイプの環境観だ。40歳代半ばの層は、バブルのころに「牛乳パックから和紙を作る」とか、「割り箸は森林伐採につながるから塗り箸にすべき」とかいったLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)視点のないエセ環境行動を植え付けられた。理系の学生でも、頭の中でLCA計算ができない。

ベテラン実験ドライバー(以下=T) そこはドイツも似ている。某サプライヤーの仕事でドイツの若手官僚たちと話をする機会があったが、技術論が通じない。だからドイツはエネルギー価格と人件費がバカ高い国になり、GDP(国内総生産)が落ちてきて産業競争力が下がった。ドイツのOEMは、過去の蓄積とベテラン中堅のセットアッパーの存在で何とかレベルを維持している。しかし、「走り」の開発工数は確実に掛けられなくなっている。

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