【インド・モーターショー】BEV普及で大気汚染が少しずつ改善の兆し:

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1月17日から、インドのニューデリー市内にあるプラガティメダンにおいて「バーラト・モビリティ・グローバル・エキスポ2025」が開幕している(会期は1月22日まで)。ちなみにBharat(バーラト)とはヒンディー語で「インド」を意味する。

コロナ禍前には偶数年開催で、コロナ禍の開催中止を経て奇数年に開催されていた「オートエキスポ(通称デリーオートエキスポ)」は自動車ショーとして独立していたが、インド政府が主導して「バーラト・モビリティ」としてひとくくりにされた。複数の自動車関連展示会をまとめたもののひとつが「オートエキスポ」の名前を残して2024年に第1回が開催され、今回第2回目(第17回オートエキスポ2025として名前は残っている)を数える。また、現体制下から隔年開催ではなく、毎年開催に変更されている。

筆者(編集K)が以前に訪れたことのある独立開催されていた頃のオートエキスポデリー近郊のノイダ市にあるコンベンションホールで開催されていたが、「バーラト・モビリティ」の一部になってからは、かつてオートエキスポが開催されていた、観光地としても有名なインド門近くにある現会場に移った。

インドの自動車市場で特徴的なのは、スズキの現地法人であるマルチ・スズキのインド国内販売シェアが目立って高いこと。2023年度締め統計で見ると、マルチ・スズキの販売シェアは41.7%(2位の韓国・ヒョンデ自動車は14.6%)。ほかの日本メーカーではトヨタ(トヨタ・キルロスカ)が5.8%、ホンダが2.1%。
地元インドのブランドではタタが有名だが、そのタタは13.8%で3位にとどまっている。

1月17日はメディア向けに会場が開放されたメディアデーで、翌18日のディーラーズデイ(業界関係者などの特別招待日)にかけて出展メーカーの多くがプレスカンファレンスを行った。メディアデーのトップ、つまりプレスカンファレンスのトップはデリーオートエキスポ独立開催時代からマルチ・スズキが、メディアデー初日の締めを飾るのはタタが定番となっている。
できる限りの多くのプレスカンファレンスに参加したが、そこで発表されるニューモデルはBEV(バッテリー電気自動車)ばかりであった。政府としてはBEVを積極的に普及させる方向で進んでいる。2023年にデリー市内を訪れた時にはすでにBEV路線バスやBEVのライドシェア車両、BEVリキシャ(三輪タクシー)などが走り出していたが、今回は市内を走る路線バスのほとんどがBEVになるほど普及が進んでいる。その影響か、世界最悪とも言われているデリー市内の大気汚染は現状でもかなり酷いのだが、2023年に比べると、平日でもスモッグの隙間から薄日や青空が少し見える程度まで改善してきていることに驚かされた。

BEVを積極的に普及させたい政府は、BEVをはじめとした次世代自動車の生産拠点としてインドから世界へ自動車を出荷させたいとの思惑もあるのだが、深刻な大気汚染問題を改善したいとの気持ちも大きいのではないかと筆者は考えている。

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