福岡日産(当時)から新車のフーガを買ったAさん。購入当時から数々の不具合に悩まされてきた。が、ディーラーはいっこうに不具合を解消してくれない。曲折の末、裁判に訴えたAさんの勝訴が最高裁による上告棄却により先ごろ確定した。
代車も取り上げられたAさんはフーガの不具合が解消しない中、移動用に現在の日産福岡からデイズの中古車を購入した。Aさんは勝訴確定を機に、同社に通常のメンテナンス入庫を希望した。
だが、日産と日産福岡からの返事はなんと!「出禁」だったのだ。
自社で販売した新車のフーガの不具合が裁判で認定されたのに、ディーラーはAさんの入庫を受け付けないと言う。日産のコメントはこうだ。
「日産福岡は最高裁の司法判断に従って対応しておりますが、これまでのお客様との経緯を踏まえるに、会社としての対応は難しく、良好なお取引が困難と判断したとの報告を受けております」。
記者は日産と日産福岡のコメントをAさんに伝えた。
「ご連絡、ありがとうございます。何がダメなんでしょうか?意味が分からないです。日産はフーガの不具合で日産福岡との間で何が起きていたのか、本当の理由を知らないとしか思えません。私との経緯もディーラーからの報告でしか知らないと思います。その報告も現場対応したスタッフではなく、日産福岡の上層部が弁護士と都合よく作った報告書としか考えられません。どんな経緯を元に出禁としたのか、具体的に説明して欲しいです」。
Aさんの指摘が正しかったことが裁判所で認定されたのに日産福岡が「出禁」を被害者のAさんに突きつける。しかも現状で出禁の理由を説明もせずにだ。これでは裁判に負けた「腹いせ」と言われても仕方がない振る舞いではないのか。
フーガの不具合を認定された日産と日産福岡は、潔く自らの不始末を認め、Aさんにこれまでの対応を詫び、快くデイズのメンテナンスを行うことこそ正しい対応ではないのか。こんなことでは日産を支持するひとは離れるばかりではないか。
Aさん勝訴までの詳細なやり取りをマガジンx近刊で掲載するつもりだ。日産と日産福岡は今一度、ユーザー本位の経営姿勢に立ち返らなければならない。それすらできなければ日産の復活は難しいのではないだろうか。日産福岡は出禁を即刻撤回すべきだ。
取材 文 写真/神領貢(マガジンx編集長)