旭川トヨタ自動車(北海道旭川市・西川弘二社長)で前代未聞の事件が発生した。
なんと封印を外しナンバープレートを外して事故修理する際、修理後にいったん外した封印を使い回していた」(事情通)というのだ。
さらに新車封印でも届出場所以外、資格者以外が封印取付を行っていたことが国交省への取材により確認された。
記者は事実関係を確認するため封印の委託事業を所管する国交省物流・自動車局情報課に取材した。すると以下のことが確認できた。
- 3月1日付けで旭川トヨタが封印受託事業者資格を自主返納した。
- 国交省の説明では、「事故修理時にナンバーを外して作業を行う際、修理後に封印を再利用していた」とされる。
- 封印受託業務はあらかじめ届け出た場所と資格者のみが行なうことに違反していた。
- 不正がいつごろからどの程度の規模で行われてきたのか不明。
- 「新車の封印業務でも不正が確認された」(国交省)。
- 国交省によると、「不正は組織的だった。歴代の担当者に引き継がれていた」とされる。
- 現状では同社の社員が旭川運輸支局などに登録前の自動車をキャリアカーで運び、1台1台封印をしてもらっているが、購入者には知らされていない。
- 「自主返納」を受け入れた国交省の対応に問題はなかったのか。
現在、旭川トヨタに取材依頼を行なっている。メーカー系列の新車ディーラーで「封印受託」できない事態に陥るのは前代未聞のことだ。本件、トヨタ自動車も事態を把握しているものとみられる。
取材・文・神領 貢(マガジンX編集長)
事故修理に関わる不正は同社で10社目になる。まもなく11社目が明らかになるはずだ。
本社屋写真は旭川トヨタのホームページより抜粋。