ヨーロッパでカングーのロングバージョン、その名もグラン・カングーがお披露目された。
既存のカングーと違ってグラン・カングーには2名分の3列目シートが備わっていて最大7名まで乗れる。3列目シートのレッグスペースはクラス最大の164mmを確保。また、乗降性を高めるため、両側スライドドアの開口幅は180mm広い830mmに拡大されている。
ラゲッジ容量は500Lで、リアシートを取り外して助手席も前倒しすれば3750Lまで広げることができる。その結果、奥行きは3.11mに達して長尺物もラクに積める。リアゲートはハネ上げ式と左右非対称の観音開き式から選べる。
パワートレインは3種類。ひとつはBEV(電気自動車)で、45kWhのリチウムイオン電池が搭載されていて航続距離は265km(カタログ値)をマーク。モーターの出力は90kW/245Nmで、エコモードを選べば出力56kW&最高速110km/hに抑制される。アクセルOFF時の回生は強さを3段階に切り替えられる。なお、バッテリーには8年16万kmの保証(充電容量70%)がついている。
内燃機関は130psのガソリンと95psのディーゼルターボから選択できる。
生産は年末にフランス北部のモブージュ工場で始まり、24年から現地でのデリバリーが始まる。国内ではステランティスがシトロエン・ベルランゴ/プジョー・リフター/フィアット・ドブロのロング版を導入しているが、はたしてルノー・ジャポンはこれに対抗してグラン・カングーを輸入するだろうか?
ちなみにカングーは約50カ国で販売されており、これまでの累計販売台数は440万台を超えている。なかでも日本は上得意の大きなマーケットで、本国の開発陣も注目しているほど。10月15日には山梨県の山中湖交流プラザ「きらら」で恒例のカングー・ジャンボリーが開催される予定だ。