特報 ビッグモーター不正問題佳境!! あさってに迫る!!損保協会会長会見

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特報 ビッグモーター不正問題佳境!! あさってに迫る!!損保協会会長会見

 

BM不正は業界の問題

 

あさって15日午後、白川儀一損保協会会長(損保ジャパン社長)会見が行われる。損保協会の会長は大手4社すなわち東京海上、三井住友、あいおい、損保ジャパン各社による1年ごとの持ち回りだ。白川会長は今月末に退任が予定されているから、事実上、協会長として最後の会見になる。

記者は前回、3月16日に行われた会長会見の場で白川さんにビッグモーター(BM)による事故修理保険金不正請求について業界団体の姿勢を質した。白川さんはBMによる「不正請求問題は損保業界全般に及んでいる。原因究明と再発防止に業界として全力で取り組んでいく」決意を語ってくれたものだ。

マガジンXでは毎号、BMの事故修理不正請求問題、不正車検問題、中古車売買に関する不適切な対応などを数多く取り上げてきた。年初から続けられてきた弁護士ら第三者による「特別調査委員会」のBMに対する調査の推移を見守ってきたのは読者の皆様ご存知の通りだ。

調査も大詰めを迎えている。明後日に迫った損保協会会長会見では白川さんが「BMに対する強い意思を示すはず」(事情通)との見方がごく最近まであった。言うまでもなく白川さんが社長を務める損保ジャパンこそがBMの損保業界最大の取引先であり、幹事社だからだ。

BMによる「保険金詐欺」の最大の被害者を自認しているのだから、原因究明と被害の回復、再発防止に対して最も積極的でなければならないはずである。実際、同社の関係者もそうした思いを記者に語っていたものだ。

 

まさかの「腰砕け」か

 

ところが、白川会長任期中最後の会見が明後日に迫った今、かなり雲行きが怪しくなってきた。業界の情報に詳しい人によれば、「明後日の会見で白川さんがBM改革に対する強い姿勢を示すことはなさそう」というのである。「『まだ情報が足らない。この段階で会長による強いメッセージは出しにくい』と、損保ジャパン側が難色を示している」という。

この話が本当なら由々しきことだ。白川さんは昨年6月の就任以来、「自然災害に便乗して被害者の弱みにつけ込み、火災保険の保険金を搾取する事例が多発している」ことに複数回に渡って懸念を示してきた。「業界挙げて悪質な業者への対策に取り組む」ことに繰り返し言及している。

冒頭にも書いたとおり、昨年夏にこの問題が会見で取り上げられた頃、損保協会は記者の質問に対して「個社の問題」と説明し、業界団体としてはBM問題と距離を置いてきた。が、BMの不正が広範かつ多岐に渡ることが判明して以降は、「業界として対処していく」ことを白川さんは明言していたはずだ。

明後日の会見で、万が一、BM問題についてぬるい発言をするようだと、火災保険の不正問題とも不整合をきたす。白川さん自身の発言についての一貫性のなさを露呈することも覚悟しなければならないだろう。明後日の会見に注目しなければならない。

なお、特別調査委員会の調査報告について、「BMは損保協会と共有する気もないし、公表する考えもなさそう」(消息筋)との悲観的な声が業界内から聞こえている。BMはどこまでも「貝」の状態を続けるつもりだろうか。不正を認めることなく、消費者を相手にする商売をこの先も続けられると思ったら大きな間違いだと思うが。

 

取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)

写真は損保協会ビルの外観と3月に行われた白川会長会見の様子。IMG_9344

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