新型エルフにはBEVもラインナップ

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いすゞがエルフとフォワードをモデルチェンジし、発表した(フォワードは夏の発売予定)。
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キリッと引き締まったフロントフェイスのコーナー部には右左折時の巻き込みを防ぐためのミリ波レーダーが組み込まれている。また、ドアハンドルは上からも下からも握れるセミグリップ式に設計。
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空間が広がってドラポジも最適化されたキャビンにはシートヒーター、アームレスト、メーターパネル内蔵式の7インチ画面などが用意されている。
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16年ぶりのモデルチェンジとあって安全性能は大幅に進化した。具体的には、右左折時プリクラッシュ・ブレーキ、全車速対応のアダプティブ・クルーズコントロール、レーンキープアシスト、ドライバー異常時対応システム、アダプティブ・ハイビーム、標識連動型スピードリミッターなどを国内小型トラックで初めて用意。

elf_ev開発にあたってはシャシーが新設計され、さまざまなパワートレインとコンポーネンツが搭載できるよう、モジュール式の考え方を取り入れた新しい基盤のIーMACSが初採用された。その一環として、エンジン車と同じシャシーを使ってBEV(電気自動車)がラインナップされた点も見逃せない。このBEVはバッテリーパック(1個あたりの使用可能量20kWh)が2個/3個/5個から選択でき、センターモーター方式によってエンジン車と同様に多彩な架装に対応。発売時にはゴミ収集車や高所作業車、運転席と荷室を行き来できるウォークスルーバンなどが用意される計画だ。

katayama同社の片山正則・社長は「じつはBEVは3年前にほぼ完成していたが、モニター車を市場で使ってもらって実証を進めてきた。時にはユーザーに業務の進め方を変える提言もした」として、商用BEVの実用化に向けて念入りに下準備を行ってきたことを説明した。さらに「机上で考えたとおりには行かないことも実感した。ユーザーは荷主に対する責任があるため、必ずしもエネルギーマネジメント最優先で使ってもらうことがベストではない。場合によっては満充電でなくてもよい、といったノウハウも得られた」と3年間のモニター実証が役立ったことにも言及した。投入については「まずは国内、次いで北米、欧州、その他市場の順に考えている。国内では想定以上に反響があって計画台数を上回りそう」としつつも、具体的な台数は公表しなかった。ただ「BEVだけがカーボンニュートラルの解ではない。エネルギー事情や社会インフラ、使用環境は各国で異なるため、複数の動力源を手がけていく必要がある」として、CJPTで手がけている燃料電池車やカーボンニュートラル燃料にも対応していく必要性を語った。

elf_missionエンジンは4JZ1型3Lディーゼルが踏襲された一方で、トランスミッションには自動クラッチ式MTの6速スムーサーExに代わって新開発の9速ISIM(アイシム)を起用。デュアルクラッチ式のため、変速時のトルク抜けがなく、キメ細かい変速比によってエンジン回転数の上昇を抑えられてドライバーの疲労軽減に貢献する。
このほか、普通免許で運転できる1.9Lディーゼル搭載車のエルフMioやキャブが300mm後方に拡大されたモデルも追加される予定だ。
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いすゞは22年5月に東京都から横浜市に本社を移した。その近くで開催されたワールドプレミアはMPLUSPLUSによる光のパフォーマンスで始まり、商用車の発表会とは思えない華やかな雰囲気に包まれた。「いま新しい企業理念を策定している最中で、それを感じてもらえる発表会にしたかった。堅いイメージの殻を破った」と片山社長はその狙いを説明した。
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