ヨーロッパでのワールドプレミアに続き、国内でもCX-60がオンライン配信にて披露された。
同車は新開発のエンジン縦置き&後輪駆動方式のアーキテクチャーが初採用されたミドルサイズSUVで、マツダが展開していくラージ商品群の第1弾にあたる。執行役員で国内営業を担当している東堂一義さんは「環境性能と安全性能を両立させた、国産唯一の直6エンジン搭載の後輪駆動SUV」と紹介した。
そもそも、なぜ新アーキテクチャーをSUVから導入したのか。この点について東堂さんは「SUV市場は急速に伸びているが、まだミドルサイズSUVの選択肢は各社とも少ない」として、ユーザーのニーズにいち早く応える狙いでSUVからスタートした旨を説明。すでにCX-5やCX-8を所有しているオーナーの中には上級移行したいと考えている消費者も少なくないようで、こうした顧客を流出させたくない思いもあるようだ。
国内向けに設定されるパワートレインは2.5L直4ガソリンと3.3L直6ディーゼルターボで、前者にはPHEV、後者にはMHEVも設定される。欧州仕様に用意されるスカイアクティブXは設定されない。
エンジン縦置きレイアウトにこだわった理由を開発主査の和田宜之さんは「1)走る喜びとして理想的な前後重量配分を実現できる、2)PHEVやMHEVが成立できて環境対応を図れる、3)フレームが通しやすく安全性能が確保しやすい、4)KODOデザインを深化させられる」の4点を挙げた。マルチソリューションと称して仕向け地やニーズに応じて異なるレベルの電動化技術を入れ込むには、エンジン縦置きレイアウトのほうが実現しやすいとの理由もある。
公表されたスリーサイズ(4740mm×1890mm×1685mm)を見ると、国内では乗りにくそうな印象を抱いてしまうが「ドアミラー展開時の左右幅は初代CX-5よりも狭い。また、最小回転半径も現行CX-5より0.1m小さく、取り回しやすさに配慮した」と和田さんは説明する。
このほか、CX-60にはドライバーの反応がない時に自動的に減速&停止する異常時対応システムがマツダ初採用される予定で、グレードに応じて標準装備またはオプションとして用意される。
価格や販売計画台数は未公表だが、初秋の発売に向けて情報は逐次、開示されていく予定だ。